◆
□帰巣本能
1ページ/5ページ
「脱走兵は銃殺刑なんだぞ。」
エドワードを拾うついでに拾われてきた私は、二人の厳つい軍人に処刑されずに済んだ。
なぜなら、最年少のエドワードが、
「大人気ねぇ事すんな!!」
と割って入ったからだ。
おかげで場はしらけて、私の処分は棚上げになった。
それから数日、肉体の回復の為に寝台で寝ているのを飽きてしまったので、私が気を失っていた間の話を三人に訊ねた。
私がハッキリとした事を言わないで不公平だ!と二人はゴネたが、そこはエドワードの出番だ。
実直で裏表の無い性格って素晴らしい。
少年は素直に現状に至るまでを教えてくれた。
で、私の発言に繋がる。
「じゃあ、お前も銃殺だな。」
言って、指に引っ掛けた輪ゴムを飛ばしてくる筋骨逞しいダリウス。
「イテ!違うもん。私は捕虜だもーん。」
だから丁重に扱え、と額を押さえながら言ったら、ダリウスが側に立っていたハインケルを横目に睨め付けた。
「ホレみろ、やっぱり置いてくればよかったんだ。」
つまり、私を拾ってくれたのは眼鏡のオッサンの方だということか。
「確かにそうだな。」
「よし、今からでも箱に詰めて路地裏に捨ててくるか。」
「や、ヤダ!拾ったんなら最後まで面倒みなきゃいけないんだぞ!面倒みろ!」
二人して大盛りの筋肉を見せつけ言うものだから、マジで焦りました…。