F/Alchemist
□目覚めるまでは高枕
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私はいつの間に寝ていたのだろうか。
瞼を上げるのがまだダルく、先に覚醒した耳が音を拾った。
これは紙を捲る音だ―――
勿論、私の手はそんな物は持ってはいない。
いつものように軽く握り締めるようにして、胸の前に置かれている。
「……ん…。」
いや、何か片手が何か布を握っていた。
布団だろうか?
それにしても頭の下にある枕が固い。
これは私の枕じゃないなぁ。
そう思いながらも固い枕に頬を寄せる。
それにしても本当にいつ私は寝たのだろうか。
寝る前まで私は何をしていたのだったか。
また、紙を捲る音がした―――
あぁ、そういえば執務室で書類の整理をしていたんだったか。