連載夢小説

□【翡翠色に魅了され】&【黒と翡翠の狭間にて】
1ページ/3ページ

彩雲国の国語りを聞かせよう。

遥かな昔、国中に魑魅魍魎が跋扈していたその時代、いつ終わるともしれぬ混沌のなかで、一人の若者が旅に出る。
跳梁する妖を追い払い、民の安寧を胸に秘め、いつ果てるともしれぬ旅を彼はつづけた。

やがてその想いに心うたれた八人の仙がつどいくる。
藍仙、紅仙、碧仙、黄仙、白仙、黒仙、茶仙、紫仙――色の名をもつ彼らはいつしか彩八仙と呼ばれ、不思議の力を駆使して若者を助けた。
かの若者の名は蒼玄。八仙の智恵を借り、国の基礎を築き、人の世に夜明けを拓いた、彩雲国初代国王。

蒼玄の死後、八仙はいずこかへと姿を消した。だが彼が仙のために建てた風雅の宮は、仙人の住処――仙洞宮と呼ばれ、今もなお王城の一角にあるという。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ