090305*ニオブンの夢をみた!
3月なのに何となく暑い。こんな日にはアイスでも食べたい気分だ。そう思った咲良は近くのコンビニによることにした。
自転車を駐輪場に止めて、中へ入ると冷房の涼しさに包まれる。心地よく感じながら真っ直ぐとアイスコーナーへ。
カップアイスを買い外へ。駐輪場へ向うと、何やら声が聞こえる。
ちらりと様子を伺うと、視界に飛び込んできたのは銀色の彼と、赤色の彼だった。
「ほら、あーん…」
「ん、」
ううううううわぁ!!!!
どうしよう、みみみ見ちゃった!
焦りに焦った咲良だったが、どうやらあちらには気付かれていないようだ。
二人を盗み見ることにした咲良は小さくしゃがんで死角に隠れた。
仁王はチョコレートのカップアイスを、ブン太は抹茶のカップアイスを持っている。
「なぁ、俺にも食べさせて」
「…ん」
いつになく素直なブン太に仁王は微笑み、それからゆっくりと口を開ける。
口のなかに落とされた抹茶はだんだんと溶けていき、ほろ苦い風味を広がらせていく。
甘い瞳をブン太に向けると、ブン太の頬が薄ら赤に染まる。
「おいしいね」
「…うん」
「ブン太も食べたい?チョコレート」
「……ぅ…ん、」
ブン太の小さな返事を確認すると仁王は意地悪く微笑んで、自分の持っているカップからアイスを掬い取った。そのアイスを自分の口へと運んでいく。
アイスの行方をじっと見つめていたブン太に微笑んで、それから口付ける。
「んっ!」
チョコレートアイスを送り込むように仁王は深く深く口付けていく。
「ん…っ、んぅ」
苦しそうに眉を寄せて、仁王の胸を叩くがキスは止まらない。
仁王はブン太の口端からチョコレートアイスの混じった唾液が伝っていくのも気にせずに、さらに深く口付ける。
角度を変えるたびに酸素を吸い、仁王の胸を叩いていた手はいつのまにか抱きつく手へと変わっていった。
不意に仁王が唇を離すと、ブン太はその唇を涙目で見つめる。
暑かった空気もわからない程に体が熱い。
「に、お…」
「チョコレート、おいしかった?」
「……」
「ん?」
「…にぉ、」
何か言いたげな唇を親指で拭うと、仁王はちゅっと軽くキスをする。
追い掛けようとするブン太の唇に人差し指を当て、楽しそうな声色で告げた。
「言わんとこのままじゃよ」
「……っ!」
「ほら」
追い詰めるような目線でブン太を見ると、観念したのかブン太の唇が仁王の指をとらえる。
少し歯を当てて柔らかく食み、舌で愛しむように舐める。
そっと指から唇を離し、最後にちゅと口付け仁王を見る。
うれしそうな仁王の表情が堪らなく嬉しい。
「…も、」
「…」
「…もっと、」
「なにを?」
「…もっと、…もっとキス、して…!」
「ふふ、お望みならばいくらでも」
優しく頭を撫でる手のひらに幸せを感じていると、再びキスが落ちてくる。
「…んっ、…ふ」
〇このあと起きてしまいました。残念すぎる!起きなかったら一体なにが起きていたんだろう…