寝ていると昔を思い出す…。

って老人みたいだな俺は…。



―GODSに連れて行かれた“天然”の能力者は五人いた。

内三人は子供たち。



俺は三人の子供の中の一人で、“無限学習”っていう特に珍しい能力を持っていた。



ほかの子供は白髪で赤い目をもった少年には“多重能力(ダブルスキル)”、橙色の髪の少年には“鉄鋼創造(メタルメーカー)”。

大人はひょうきんな青年に“念動能力(サイコキネシス)”、年老いた声が出せない女性に“念力会話(テレパシー)”の能力が宿っていた。







俺はほかの子供とは仲がよかった。



青森で研究されているときはみんなであだ名を決めた。

白い少年は“ゆーちゃん”、橙の少年には“てっちゃん”、青年には“あつ兄”、年老いた女性には“さえ婆ちゃん”という。
そして、俺は“イクち”と呼ばれた。



青森での研究生活はよかった。

研究以外の時間は何をやってもいい。

許可をとれば外で遊んでもよかったし、食事も小遣いもくれた。





しかし、GODSに連れて行かれてからの生活を地獄のようだった。



ご飯はちょっぴり。遊ばせてもくれない。

何より、常に実験ばっかりやっていて、食事、睡眠以外の時間はずっと束縛されていて、少しでも逆らったら罰を喰らう。




そんな毎日を繰り返していって、ついに、あつ兄が死んだ…。




























その夜…。


「どうしよう、あつ兄が、殺された…。」
子供たちの三人部屋で子供たちは話していた。

さえ婆ちゃんは病気らしく、別室で生活している。

「このままじゃ、俺たちもいつ殺されても不思議じゃねぇぞ…。」
白い少年の言葉は子供たちの胸に深く突き刺さった。

「だからって、どうしろっていうんだよ、ゆーちゃん!」
てっちゃんがゆーちゃんが怒鳴りつける。



そこで俺は仲裁も兼ねて提案をした。
「なぁ、脱出しようぜ。この地獄から…。」



しばらく、沈黙が続いた。

「イクち、それは無理だよ。」
それは誰でも望んでいたことであろう。

でも、不可能だった。

もし彼らにどんなすごい能力が宿っていたとしても、GODSにはなぜか通用しない。
だから念動能力をもっていたあつ兄も殺された。

まして、子供たちの中に攻撃用能力を宿しているのはてっちゃんのみだ。



「策がある。もう準備はできている。やるなら今夜だ。どうだ?」

三人は顔を見合わせた。

そして、皆何か決心してコクリと頷いた。



「よし、これより、作戦決行だ!」

子供たちは行動に出た。


イクち「何かあったらどうぞ。」



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