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08/06(Wed) 03:08
肺まで貫通 父を刺した真面目15歳長女の「強い殺意」


 “真面目な生徒”による凶行がまた起きた。埼玉県川口市の私立中学3年の長女(15)による父親刺殺事件。夜中、長女が振り下ろした包丁には、父の肺を貫通していたほどの力が込められていた。製薬会社に勤める父を慕うかのように「薬剤師」の夢を語っていた長女が抱いた父への「殺意」とは何だったのか。良好な関係を築いていたかに見えた父娘を襲った突然の悲劇の真相とは…。

父の遺体が物語る「明確な殺意」

 「ギャーッ!」
 19日午前3時ごろ。川口市の製薬会社社員の男性(46)方で突然、叫び声が鳴り響いた。
 寝ていた妻(49)が叫び声の聞こえた夫の寝室に行くと、真っ暗な寝室から夫の必死な声が聞こえた。
 「電気をつけろ。警察と救急車を呼んで」
 電気のスイッチを入れた妻の目に飛び込んできたのは、胸から血を流してベッドに横たわる夫と、放心状態でたたずむ長女の姿。
 長女の手は夫の血にまみれて真っ赤に染まっており、ベッド上には凶器とみられる文化包丁(刃渡り約20センチ)があった。
 「娘が父親を刺した。助けてください」
 110番通報を受けた県警武南署員が駆けつけると、長女はベッド上でうずくまったまま。署員が声をかけると、「私がやりました」と素直に応じたという。
 だが、長女が刺した父は搬送された病院でまもなく死亡した。死因は包丁が肺まで達したことによる出血性ショック。殺人未遂の現行犯で逮捕された長女は、調べに対しこう語った。
 「寝ている父の上半身を2回くらい刺した。真っ暗だった。その後のことはよく覚えていない」
 父は胸部を強い力で複数回刺された上、額にも切り傷があった。
 「大変なことをしてしまった」
 反省の弁を口にする長女だが、父の遺体が物語るのは長女の「強い殺意」に他ならない。
 普通に考えるならば、長女は強い殺意を抱かざるを得ない状況にまで追いつめられてしまっていたのだろう。だが、日頃の長女の姿を追ってみても、なかなかその形跡は見つからないのだ…。

 むしろ良好な父娘関係…誰もが「なぜ?」

 「父との会話は少なかった」
 「(父との会話のやりとりが)うっとうしかった」
 父との不仲を物語るかのような供述をした長女だが、この供述をそのまま「動機」に結びつけることはできない。
 事件前日の18日、仕事が休みだった父と長女は長男(12)を連れて近所に買い物に出かけ、食材などを購入。夕方からは2人でチキンカレーを作り、家族4人で食卓を囲んだ。
 食後は撮り溜めたビデオを家族で鑑賞し、午後11時過ぎに母が就寝。長女が自室に戻る午前0時ごろまでは、父と2人でビデオを鑑賞していた。その間、父娘でビデオの内容について話をしたりしたことは容易に推察される。
 「長女は確かに『父との会話は少なかった』と供述しているが、思春期の女の子が父親と会話が少なくてもそんなに異常なことではないだろう」(捜査関係者)
 実際、父娘の仲は決して険悪なものではなかった。父娘を間近で見ていた母は、県警の調べに対し「不仲説」を否定している。
 「夫と娘は仲がよかった。(なぜ長女が父を刺殺したのか)思い当たることがない…」
 一緒にカレーを作ったり、ビデオを鑑賞するなどしていた父娘。思春期という年頃を考えると、むしろ父娘の関係は良好だったともいえるだろう。
 長女の素行についても、周囲から聞こえてくるのは「真面目な子」を裏付けるような話ばかりだ。
 「服装の乱れもなく、何にでも真摯に取り組む真面目な子。(悩みなどの)サインが出ていれば気づくと思うが、そういうところはなかった。普通の子だった」
 長女が通っている中学の校長らはそう言って首をかしげる。
 長女は1年次ですでに、中学卒業レベルの英検3級を取得する学力の持ち主だ。同級生が他県に転校する際には、率先して「お別れメッセージ」を取りまとめる優しい一面もあった。
 「普通の」「真面目な」中学生が起こした突然の凶行。長女の周辺からは「なぜ」という疑問の声しか聞こえてこないのである…。

08/06(Wed) 03:08


 “偽装工作”までして追試験を避けた長女…勉強にストレス?

 長女が凶行に走った「動機」。捜査による解明が進められる中、その可能性のひとつとして挙げられているのが「学習面でのストレス」だ。
 長女は2年次の三者面談の際、将来は「薬剤師になりたい」と明言していた。父が製薬会社に勤めているだけに、面談に同席した教頭は「父親を尊敬していると思った」という。
 将来の夢を明確にし、勉強に励んでいた長女だが、2年の終わりごろから数学の成績が落ち始めた。長女は今年1月の面談では「数学が苦手になったので文系に進み、将来は国際的に飛び回る仕事がしたい」と話すなど、成績を理由に薬剤師の夢をあきらめ始めていたことがうかがえる。
 ハッパをかける意味で教頭が「死ぬ気で勉強しなさい」と言うと、「頑張ります」とはっきり答えたという長女。だが、成績不振による“夢の挫折”が、学習面でのストレスになっていなかっただろうか。
 長女は7月始めに行われた期末試験で成績が落ちている。県警の調べでは、長女は友人らに「成績が下がった」などと相談することもあったといい、思うような成績が出ずに悩んでいた長女の姿が浮かび上がる。
 長女は調べに対し、「父親に『勉強しろ』と言われ、反感があった」などと供述。普段は母の方が学習面で注意が多かったとされており、知らず知らずにストレスを溜めていったことも想像に難くない。
 長女は事件前日の18日、英会話の追試験を休んでいる。しかも、追試験のことは母に内緒にしていた上、担任がかけてきた電話には弟を装って「風邪で寝ている」と回答していた。
 “偽装工作”までして追試験から逃げようとしたのはなぜなのか。
 長女は積もりに積もった学習面でのストレスが何かをきっかけに一気に爆発し、犯行に至ったのだろうか。少なくとも事件前日、長女は学習面で鬱憤(うっぷん)がたまっていたことは間違いないだろう。
 だが、かといってそれが父親の殺害にダイレクトに結びつくわけではない。
 県警では、長女の部屋からミステリー小説など10数冊を押収。この小説は猟奇的な殺人シーンがあり、これまでも凶悪事件を起こした少年らの家から押収されている作品だが、捜査幹部は事件との関連には否定的だ。
 「同級生も読んでいるので読んでみた、という程度なのではないか。小説の影響を受けて事件を起こしたようには思えないのだが…」

 「目が覚めて刺そうと…」捜査員も「?」

 「口数は少ないが、精神面で問題があるようには見えない。取り調べにも淡々と応じている」(捜査関係者)
 事件発生当初こそ「お父さんが家族を殺す夢を見た」などと不可解な供述をしていた長女だが、その後は落ち着きを取り戻し、食事もきちんと摂っている。支離滅裂な言動もなく、精神的には安定しているとされる。
 だが一方で、調べに対し「夜に目が覚めたときに刺そうと思った」などとも供述。動機が不明瞭な「衝動的な犯行」をうかがわせるなど、不可解な点も依然としてある。
 「犯行に至るまでにはさまざまな要素があるはずだが、まだ何も分からずスッキリしないことだらけ。明確な動機があるのかどうかも含め、こっち(捜査員)もまだ頭の上に靄が立ちこめている状態だ」(捜査幹部)
 取調室で長女は、趣味のカラオケやアニメの話には応じるものの、話が事件に及ぶと口を閉ざすという。
 「相手は15歳の多感な女の子だ。時間をかけてじっくり聞かないと、事件の本当の姿は分からないだろう」
 不可解な事件が相次いでいるだけに、長女の「心の闇」の解明が期待されている。(7月26日10時58分配信 産経新聞)

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