novel
□Who is my bride?
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3月3日。
そう!今日は雛祭り!!
Who is my bride?
「とゆーわけで、びーなすまつりなるものがしたいアル」
「何がどういう訳だよオイ。つーかビーナス祭りって何だよ」
只今神楽はテーブルの上に正座している。ソファーに座っている銀時のほうを向いて。
神楽はふふーんと得意気に言った。
「知らないアルか?女の子が主役の日ネ」
ビーナス祭りと言うからにはそりゃ女の子が主役なのだろう。男だったら嫌すぎる。あ、でも新八は大歓迎。いや、待てよ新八はビーナスというよりエンジェ……
「神楽ちゃん、それを言うなら“ひな祭り“ね」
家事を終えた新八が居間にやってきた。
神楽ちゃんテーブルの上に座らないの、と言いながら銀時の隣に座る。
あぁ何だひな祭りか。
少し落胆した銀時を横目に見ながら新八はソファーに座り直した神楽のほうを向いた。
「じゃあ、確か家に雛壇があるはずだから僕ん家行こうか」
―――――志村家。
捜索に一時間を要した雛壇の飾りつけもどうにか終わり、神楽は上機嫌でひなあられを食べている。
「ああしてるとやっぱり女の子ですね」
「…………」
「…銀さん?」
「…雛人形ってのは、ずっと出しとくと婚期が遅れるんだっけか」
「は?……まあそういいますね」
いきなり何を言いだすんだ、という目で銀時を見る。
「…あと1ヶ月くらい出しとこうぜ」
「…………。ぶっ!!!あははははは!!!」
何だ、そういうことか。
「なっ!!笑ってんじゃね―よこのダメガネ!!」
銀時は顔を仄かに赤らめている。
やばい、笑いが止まらない。
「ぷくく、………まだ大丈夫ですよ銀さん」
それに、と新八が続ける。
「誰しもが通る道ですよ、お父さん」
あらぬ方を向いた銀時は別にお父さんじゃねーし、とか何とかブツブツ呟く。
それがまた新八を笑わせた。
おまけ→