celebration

□恋人はサンタクロース
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ある日、子どもたちに夢を与えるサンタは言った。


「そろそろ、休みが欲しいのぅ」





恋人はサンタクロース




石田雨竜。隣のクラスの、麗しの君。


一護が彼に恋して、もう何ヶ月になるだろう。

今日も、短い距離を駆ける足音が聞こえる。


「――いっしだ!!」

「………また、君か」


眉間にしわが立つものの、それ程迷惑そうでない雨竜は、一番後ろの席で一護を迎えた。
一護のしつこさの勝利の証である。

一目惚れから始まった恋を進展させるべく、一護は雨竜に大量に話しかけた。
最初は物凄い不審の目で見られたし、怒らせることも沢山やった。

そして最近。
互いの教室を行き来するまでになったのである。(ほぼ一護が雨竜のもとへ行っているが)




ただ、一護にはひとつ、気になることがあった。

12月も終盤。
世界はキラキラと浮き足立っているのに。

雨竜の表情が、どんどん暗くなっていっている気がするのだ。





そんななか、ある知らせが一護に届いた。








終業式をつつがなく終え、帰り道にごった返す生徒のなかから雨竜を探す。

「お、」

いたいた。
またしても暗い顔をしている。

一護の眉間に力がこもった。

(そんな顔、駄目だ)


一護はたっと走り出し、雨竜の肩を掴む。

「!?…黒崎、?」

「よぉ」


びっくりした顔で振り返る雨竜は非常に可愛く、自分の真の目的を忘れそうになった。
危ない、危ない。


「石田、お前さ24日の夜……というか24日の真夜中、暇?」

「……………は?」









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