celebration

□偉大な恋の歌
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待ちに待ちました冬休み。

待ちに待ちましたクリスマス!





偉大な恋の歌





教師と生徒の恋愛ってのはなかなか難しいもので。

会いたいときに会えないし、夜中に呼び出しなんてもってのほか。
校内で会っても自然を装い、空き教室につれこむことも出来やしない。
ましてや自分の部屋に呼ぶなんて――――


「嘘八百もいいとこですよ先生。これ全部やってるじゃないですか」

「あ?あーこれは一般論だよ新八君。俺たちは常識をも超え」「ああ先生やっと認めたんですね自分が犯罪者だって」


ぎゃあぎゃあ言い合う俺たちがいるのは坂田銀八の部屋。つまり、俺の部屋。

イブはクラスの連中と遊ぶなんて言って1日おあずけを食らった俺の内心のはしゃぎようは半端ない。自分でも、笑えるほどに。



新八お手製のクリスマスディナー(食費は俺負担)を食べてひと息ついたところで、俺はとあるサプライズ大作戦を決行した。

「新八ー、テーブルの上片しといて」
「へ?もうですか?」
「簡単でいーから、な」


頭の上にクエスチョンマークをくるくる回しながら、新八はターキーの乗っていた皿を重ね始めた。

俺は台所へと急ぎ、隠しておいたあるモノをゆっくり運んでいく。


ドアの隙間からテーブルがあらかた片付いたのを確認し、俺はポケットからライターを取り出した。




ぱちん。

「!?なに、」

部屋の電気が突然消え、新八は目を見開く。
想像した通りに慌てる新八ににんまりしつつ。

俺はリビングに飛び込んだ。



「じゃーん!」

「!!わあっ!」


新八から感嘆の声があがる。

「題して『銀八スペシャルロマンティックボンバーケーキ』!」
「ああ名前は残念だけどすごい!!」


そう、それは俺手製のケーキ。真ん中に立っている花火からはパチパチ火花。
スポンジから作った三段ケーキだ。
砂糖菓子のサンタクロースにスノーマンも微笑みながら直立不動である。


「………あれ、先生、これ確かにすごいですけど、おかしいですよ」

「どこがおかしいっていうんだ新八君。ほらナイフ持って」
「あ、はい。……なんで花嫁と花婿がいるんですか…」

新八が言うのはケーキの最上段の花火の前で腕を組んでいる眼鏡の花嫁と銀髪の花婿のことだ。無論、俺手製の。
しかし、

「何でってお前、これやるからだろーが」

ナイフを握る新八の手の上から自分の手を重ねる。

花火の明かりが重なり合う俺たちの影を映し出した。


せーの。


「ケーキ入刀」


「!!!」


ケーキ入刀がし終わったところで花火が消えた。ぱちりと電気をつけると。

新八が変なかっこで顔を隠していた。あらゆる変なかっこを想像してほしい。それが今の新八の恰好だ。


「………何それ」

「…………お、お気になさらず……」

「いやいや、無理でしょ。何で顔隠してんの」

「ほ、ほんと、お気になさらず……!」

そう言われると気になるのが人の性ってもんで。とりあえず新八の顔を覆う絡まった腕たちをほどきにかかった。




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