儚い夢

□人魚姫
2ページ/5ページ



青い青い海の底に
人魚のお城がありました。ここのお城では、美しい人魚のお姫様達が、優しい王子とおばあさんに可愛がられて幸せに暮らしていました。

ハルカ「キャ〜!!ゼニガメ今のバブル光線超いいかも!!」

シロナ「ミロカロス、今日もご苦労様。明日も醜い男達から椿を守ってね。なんなら…殺しちゃっても


お城の近くの珊瑚の椅子に座りお話をしているハルカ、スズナ、シロナ、ナタネ、そして椿。

人魚姫は15才の誕生日が来ると、海の上に出ることが許されていました。
その掟を破るものには、辛くキツく苦しい罰があると言う………

今年は、一番下の人魚姫──椿が、15歳になりました。

『海の上ってどんなところなのかな?』


ナタネ「詰まんないわよ。あ、でも草ポケモン達がいるから好きかな?」

スズナ「とっても良い所だよ。氷タイプ達が、喜びそうな♪」

『そうなの?楽しみだな』
妹の椿は、楽しみにしています。
明日が待ちに待った誕生日。
そして、人生初の海の上を見ることが出来る。

その事で、胸がドキドキと興奮している














次の日





「「お誕生日おめでとう。」」


『ありがとう。では、行ってきます』

そう言い、人魚姫は海の上へ向かいました。





海の上には大きく綺麗で豪華な船が浮かんでいました。

空にはたくさんの花火が上がっています。

何かのパーティーなのでしょうか?

「王子、誕生日おめでとうございます」

どうやら、王子もお誕生日のようです。

それで、音楽やら歌声やらが聞こえるんですね。

椿が船に近づくと、船縁に王子様が現れました。

『なんと男らしい立派なお方でしょう』

椿は思わずうっとりと王子に見とれてしまいました。


デンジ「ん?誰だ?」

ずっと見ていたせいで、王子に築かれた椿。隠れるわけにもいかないので、自己紹介をした。





『あ、…私椿と言います。』


デンジ「椿か。人魚か……本当に居たんだな。俺は、デンジ。……っ」



その時、突然黒い雲が広がって海は大嵐になりました。
船は、大揺れに揺れて沈んでしまいました。

『きゃ!!助けなきゃ!!』


椿は、海におちた王子を助けて安全な場所にと泳ぎました。


やがて嵐はやみました。
人魚姫はやっとのことで浜辺に辿り着きました。

『もう、大丈夫です。』

椿はそう言うと、疲れきった体を岸辺に横たえました。




王子は、まだ目覚めません。
そこへ美しい娘が歩いてきます。

椿は岩影に隠れました。

スモモ「…大変です!!」


娘は気を失っている王子を見て、助けを呼びにいきました。


『(デンジ様、早く目を開けて。)』

人魚姫は祈りました。

娘が戻って来ました。
その時、王子が目を開きました。

デンジ「(……あれ?人魚は?)お前が助けてくれたのか?ありがとうな」


スモモ「はい。」

王子は、娘の手をとりにっこりと笑いお礼を言いました。




『違う……私が助けたのよ。』



でも、王子は、知りません。

人魚姫は毎晩海の上に出てお城に居る王子を眺めてはため息をつく繰り返しでした。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ