リリカルFate
□Prologue
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幕開けとなったクーフーリンとの戦いを皮切りに、俺たちは共に背中を預け合い戦った。
町中でのバーサーカーとの遭遇戦。
ビルの屋上でライダーを倒した神々しい宝具の輝き。
アサシンやキャスターと戦った柳桐寺地下にある疑似都市での死闘。
再び襲い掛かったバーサーカーとの戦いと、あの大きな紅い背中を持つ皮肉屋の最期。
終幕となったのは黄金の英雄王との激突とこの世全ての悪(アンリマユ)。
そして、アンリマユに汚染された聖杯を破壊した後に待ち受けていた彼女との別離。
彼女の事を愛しているからこそ止められなかった。
彼女の理想を汚したくなかった。
今でも何度と無く思い出す。
あの時、彼女が言ってくれた一言を。
《愛してる》
いつもの凛とした瞳ではなく、優しさと温もりで包まれた瞳。
まっすぐ俺に向けながら、彼女は自分の選んだ帰るべき場所へと帰っていった。
一抹の寂しさが無かったと言えば嘘になるかもしれない。
たった数日の家族だったけど、俺は他の誰よりも彼女のことを愛していた。
ーーーいや。
今でも変わることなく《愛している》
でも、あの時の別れに後悔は無い・・・