リリカルFate

□剣製 VS 御神
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ーーー三時間前



高町家のみんなに挨拶をした日から数日経ったある日。


士郎はリハビリも兼ねて朝早くから庭の掃除をしていた。


「普段世話になってるからこれぐらいやらないとな」


この間士郎(大)と約束したのは、いつも寂しい思いをさせてしまっているらしいなのはと一緒にいること。


しかし、なのはと共にいるという条件だけでは流石に心苦しく、桃子さんに何度も頼み込んだ結果、成し得た戦果だ。


「それにしても……」


そこで一度言葉を区切ると、箒を置いて空に向かって大きく体をぐっと伸ばす。


「ん〜!ふぅ、こんなにも落ち着いてのんびりとするのは久しぶりだな」


それもそうだろう。


この世界に来るまでは、ただひたすら《正義の味方》を目指して世界各地をがむしゃらに回っていた。


その上、封印指定を受けてからというもの、最後には世界を敵に回しての大立ち回り。


文字通り、毎日が戦争と言ってもおかしくはない毎日だった。


「………」


腕を組み、黙り込んで少し前までの自分の事を考えていると、不意にこちらへと向けられる視線に気が付いた。


「…そんなにじっと見られても何も出ませんよ、美由希さん」

「いや〜シロくんが真剣に考え込んでたから声掛けるのも悪いかな〜って思ってね」

「大丈夫ですよ。少し前までの、此処に来るまでの自分を少し思い返してただけですから」


あの日、縁側で交わした親父との約束。


親父が目指していたけど成れなかった存在《正義の味方》を代わりに形にするということ。


向こうでは結局成れなかった。


いや、親父と同じように諦めてしまった。


ならば今度こそ…なんて思ってしまうのはいけないことだろうか?
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