リリカルFate

□異世界の魔法
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「ねぇユーノくん」

「どうかした?なのは」


寝起きで重たい体に活をいれつつパジャマから私服に着替えているさなか。

顔を赤くしながら背を向けるユーノに声を掛ける。


「さっきからどうかしたの?ずっとドアの方向いてるけど……?」

「それは……」


士郎くんが下に降りてから、ユーノくんはずっと扉の方を見つめてる。

睨んでるのとはちょっと違うけど、首を傾げながら何か考えてる。


「……ねぇなのは。さっきの…士郎だっけ?彼は一体……」

「士郎くん?」

「うん」

「えっと…士郎くんはちょっと色々あって家で暮らしてる子なんだ」

「…そうなんだ……」

「あ!でもね、ユーノくん!わたしたちは士郎くんのこと、もう家族の一人だと思ってるよ!」

「………」

「…ユーノくん?」

「………」


真剣そうな顔で黙ってしまったユーノくん。

今のお話でそこまで考えなきゃいけないことは無かったと思うけど。

ユーノくんの顔を不思議そうに見ながら着替えを終わらせる。


「えっと…ユーノくん、着替え終わったけど……?」

「………」

「ユーノくん!」

「わ!?な、なに?なのは」

「着替え終わったけど…下、行かないの?」

「あ、うん、そうだね、下行こっか」


明らかにおかしいユーノくんの様子。

でも、あんまりしつこく聞くのもちょっとどうかと思う。

そんなことを考えながら、特に問いただすようなこともせずに一階へと降りていった。


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