リリカルFate

□金色の少女
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「………」


正に周りの男子からすれば、現在の士郎は完全なる勝者。


この学校の男子の人気を独占する三人と同じ班というのはそのメリットの反面、人を殺せそうなほどの視線に晒される。


それも、普段から三人と仲良さげに話している奴がその幸運の恩恵を受けた。


昼休みには便所裏に呼び出されそうな雰囲気が男子から放たれている。


「あー…それで、なのはの料理の腕は知ってるけど、すずかはどうなんだ? 普段から料理とか作ったりするのか?」

「私はお菓子ならよく作るよ? お料理はノエルとファリンがいるから…」

「なるほどな」


確かにすずかには専属のメイドがいる。


すずかが普段から料理を作ってしまえば、彼女の仕事を奪ってしまう。


優しいすずかがそんな事出来るはずがない。


「まぁすずか“は”ある程度は大丈夫か…」

「ちょっと! すずか“は”ってどういう意味よ!!」

「そのままの意味だ。 アリサは俺が教えながら一緒に作るからな」

「なっ、わ、私だって料理ぐらい作れるわよ!!」


アリサの言葉になのはとすずかの瞳が揺れる。


「アリサちゃん…その、士郎くんに教えてもらった方が…」

「そうだよっ、アリサちゃん! 無理しない方がいいよ!」

「アンタたち私の友達でしょ!?」


額に青筋を浮かべ、何故か士郎の胸ぐらを掴みながらアリサは叫ぶ。


そんな様子を見て、改めてアリサに一人で包丁を持たさないようにしようと思った。
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