視線

□愛でられし闇  未完
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ナルトは、身に付いた血の香りを洗い流すと湯船につかった
ふぅっと落ち着くと思い出すのは先ほどのシカマル



さっきまでシカマルに触れていた手を見やる

「はぁ、風呂一緒に入らなくてよかった」



触れた肌の感触
一瞬漏れた甘い声



思い出すだけで体が熱くなってくる

「・・・抱きてぇ」



はっきり言って、もう限界だ

今、彼がここにいたなら間違いなく襲っているだろう



恋人という関係になってから2年
同棲を始めてからすでに半年が経過している

しかし、ナルトは未だシカマルを抱いていなかった



ナルトは手を握りしめる




あの白い肌に触れ、自分のものだという刻印を残したい

あの甘い喘ぎ声を、思う存分聞きたい

あの漆黒の瞳に自分だけを映したい

彼にもう自分しか見えないように・・・
離れられないように・・・
ひとつになりたい・・・



黒い欲望が体の中を駆けめぐる



ナルトはざぶんとお湯の中に潜った



我慢しろ
今はまだ、だめだ
シカに心の準備ができてない
シカを傷つけるわけにはいかない
大丈夫
シカは俺を裏切ったりしない
シカは俺から離れたりしない


ずっと、そばにいる




ナルトは自分に言い聞かせると湯船から顔を出し、お風呂をあがった



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