修羅姫様

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高校に千姫が辿り着くとどうすればよいのか分からず人に聞いてみることにした。
「だーかーらー!昨日の虚は上手くやったんだからいいだろ!」
「だめだ!」
男子生徒と女子生徒が痴話喧嘩をしながら千姫の目の前を通った。
「あの、職員室?って所に行きたいから案内してもらいたいの」
千姫を二人は見つめ、喧嘩の怒鳴りあいは終わった。
「じゃ、じゃあ黒崎くん私は日直のお仕事があるので案内は黒崎くんにお願いしますわね!」
黒髪の少女は男子生徒に任せて本能的に何か危険だと察知したのかあからさまに避けて千姫から去っていく。
「ったくルキアのやつ…着いてこいよ」


オレンジ色の紙の美しさに千姫は自分にはない暖かさを感じた。
「ありがとう」
ふわりと微笑めば男子生徒の頬はらしくないほど染められた。
「俺は1年3組の黒崎一護だ」
「どこのクラスに入るかは分からないけど1年の浦原千姫だよ、よろしくね」
「よろしくな。浦原は何でこんな時期に引っ越して来たんだ?」
「あ、浦原より千姫の方がいいからそっちで呼んでくれると嬉しい。家庭の事情で転校しただけだよ」

一護は千姫の見事な白銀の髪に生徒たちが注目していることに気づいた。
そしてその視線を物ともせずに歩く千姫にも驚きながら案内を続ける。
「一護って呼んでもいいかな」
「おう、職員室がここだから俺は教室戻るわ」
「ありがとう!一護と同じクラスになれるといいな!またね」
「またな」
一護がひらひらと手を振ったのを見届けて職員室へと入る。


「黒崎一護くんは人間かつ死神ってところかな。おもしろそう」

小さな声で呟いておもしろそうに笑い、職員を見つめた。

「お!転入生の浦原か!私は越智美諭だ。浦原は1年3組に入ってもらう。よろしく」
「よろしくお願いします」
「じゃあ早速クラスのホームルームで自己紹介だからな!浦原頑張れ」
ポンポンと頭を撫でられて嫌な気はせず、とりあえず愛想笑いを張り付けておく。
越智に連れられ朝のホームルームへと向かう。
ホームルームという言葉が何を意味するのかは分からなかったがとりあえず自己紹介をすることだけは分かったので越智の後を歩く。
千姫にとって興味深い人間である一護と同じクラスになったことが嬉しくてしかたがなかった。
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