修羅姫様

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その日は無事に終え、放課後は各々部活やバイトや帰宅と動き出す。
男子生徒にしつこくメールアドレスを聞かれたものの携帯電話など人間の玩具だとしか思っていない千姫が持つはずもなく、こっぴどく断り空中散歩をすることにした。

千姫は霊神姫であるが故に元々一人でいることが多かった。
仲のいい者がいたとしても仕事を行っている間は見つかってしまう可能性を危惧して訪ねることはあまりない。
そして霊神姫の本来の役割は傍観者だ。

「白玄神」
その名を口にした瞬間に狐が現れる。
きゅうんと可愛らしく鳴いて空をぐるぐると走り回りだした。
「一護の才能は桁外れな気がする。白玄神はどう思う?」
白玄神ははじめはオレンジ頭の人間だという認識しかしてはいなかったが、才能があるのは確かだと感じていた。
それを述べれば千姫は笑う。
「さすが白玄神気づいてたの…ってなにこれ」
虚の大群の気配を察知した千姫は義骸から抜ける。
義骸はビルの屋上で倒れた。
この土地での並の人間よりは高い霊圧を持つ雨竜と一護がかなり近くにいることが分かり嫌な予感がした。
空間が歪み大量の虚が顔を覗かせる。
その薄気味悪さに千姫は顔を歪めた。

「白玄神、あの滅却師のところに連れてって」
それを聞き終えると白玄神は千姫が乗れるほどにまで体の大きさを変える。
その背に跨がると狐はそのまま空を駆けていった。
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