FAIRYTAIL

□闇姫、ナツと再会
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ミストガンとクロウは汽車でゆっくりと移動していた。
クロウの体に無理がないようにとのミストガンの配慮である。
「ミストガン、二日も一緒にいてくれてありがとうな」

クロウはミストガンを見つめ笑った。
「あ、あぁ…礼なんて別にいい」
顔を布で覆い隠しているミストガンは動揺をうまく隠していた。
しかしその布の下の実態はクロウの笑顔に赤面している。
幼く感じられる彼女の笑顔はいつもの仏頂面を忘れさせてしまう。
「この街で仕事があるんだろ?私もここで降りて闇翼(ダークエーラ)で飛ぶことにするよ」
クロウには重宝している魔法があり、ハッピーのように背中の翼で空を飛ぶものだ。
移動ではほとんどその魔法を使っている。

「まだ、魔力を使わないほうがいいんじゃないか?」
ミストガンはクロウの体を心配する。
過保護すぎる兄のようである。
「大丈夫だ。私は魔力の異端児なのだからそれに堕天使の血を受け継いだ器だろ」
クロウは悲しそうに笑った。
自嘲も含まれていた。
「異端児じゃない。特別な魔力だ。それにルシファーは幾ら最低な奴だとしても魔法界では神同等に扱われている」
ミストガンはクロウの手を握り、フォローする。

「ミストガンには敵わないな…そんな風に言ってくれてありがとう」

彼と彼女は互いに依存しあっているのだ。
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