FAIRYTAIL
□闇姫、ギルドに帰る
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「エルザ、すまなかった…一年間も放っておいて」
「もういい。今ここにいるのだから」
エルザが珍しく泣き続けているものだから締め付けられるような思いに浸る。
闇の人間だというのにいなかったぐらいでここまで悲しませてしまっていいのだろうかという疑問が心に浮上していた。
クロウは悲しそうに笑いエルザから離れてライヴの背に跨がった。
「話があるみたいだな、エルザ。言ってほしい」
クロウが言いたそうにうずうずしているエルザの様子から言ってみる。
静かな木陰でエルザは気づかれたことに少し照れているその様子にクロウは可愛らしいと思った。
それからエルザ鉄の森(アイゼンヴァルト)のエリゴールの黒い話をぽつりぽつりと話始める。
本来のクロウにとっては雑作もない簡単な冒険(クエスト)ではあるがまだ目覚めたばかりで先日もジェラールの目の前で眠ってしまったぐらいだ。
肩を回すような運動程度にはなるだろうと思いながら聞く。
「クロウ、どうすればいい?」
呪歌(ララバイ)は"死"の魔法…総長(マスター)の判断より早く動かなければならないと判断した。
そしてライヴを人二人が優に乗れる大きさにさせた。
「クロウ?」
エルザがなにも答えようとしないクロウに不安げに問う。
「判断はいらん!一刻も早く帰らなければならないようだな」
その迫力のある声にエルザは微笑んだ。
頼れる実力者であるのは健在で彼女にとっては勝利の女神そのものに見えるのだった。
クロウは大きな角を持っているエルザもライヴの背に乗せ、猛スピードでライヴを走らせた。