修羅姫様

□2
1ページ/17ページ

翌朝彼女が目を覚ますと興味津々で自分を見つめる雨(うるる)とジン太がいた。
「うわ!起きたぞコイツ!」
ジン太が体を起こした千姫に驚いて雨と驚いている。
「だから止めようって言ったのに…ジン太くんテッサイさんに怒られちゃうよ…」
雨は千姫のことを震えながら見つめていた。
「喜助の仲間だよね?おはよう」
害が自分にはないと分かっている千姫は平然とその二人に挨拶をして制服を着た義骸の中へと入った。

「お、おい!お前オレの方がセンパイなんだから敬語な!」
ジン太は怯んだが果敢にも千姫に生意気なことを言ってみた。
「白玄神食べちゃっていいよ」
その瞬間ジン太の足は白玄神の甘噛みの餌食となりジン太の絶叫が早朝の浦原商店に響き渡った。
「だから止めようって言ったのに…」


千姫は廊下を歩いて居間へと向かった。
白玄神がちょこちょこと後を付いていく。
「喜助、義骸ぴったりだったよ!この制服可愛いし、気に入ったよ」
居間で朝食をテッサイと取っていた浦原に微笑みながらくるくると回る千姫。
その姿は朝から男の目には毒であった。
白い太股が露になり、回っているおかげでパンツが見えるか見えないかの興奮材となる。
「千姫サン!!!!早くご飯食べてください」
頬を赤らめて言った浦原ににやにやと千姫は笑う。
「高校生?ってのが好きなんだねー喜助ってば!イヤらしいーっ!」

違うだなんだと言い訳を動揺丸出しで言っている浦原を無視していただきますと手を合わせる。
食卓の席に着いて千姫は味噌汁を一口飲む。
「おいしい!えっと名前は?」
「テッサイとお呼びください」
「テッサイのお味噌汁おいしい」
そう言ってふわりと笑った千姫にテッサイでさえも赤面する。
浦原もその様子に蒼純のことが過ったが黙って朝食を食べることにした。

「本当においしい!」
焼き魚をぱくぱくと口の中へ放り込み、みるみるたっぷりと盛られてたご飯はすっかり胃袋の中へと姿を隠した。
その豪快な食べっぷりにテッサイも嬉しそうに笑っていた。
「千姫サンこれが空座第一高校までの地図っス。簡単でしょ?」
「そうだね、案外近いみたいだから分かると思う」

地図を見てお茶を啜った。
「お昼ご飯はどうすればいい?」
「テッサイサン手作りのお弁当があるので安心してくださいネ」
千姫はバンダナに包まれた弁当箱と鞄を手渡され、それを受け取った。
「お昼ご飯楽しみ!じゃあ行ってきます!」

玄関に走って行くとこの草履を履いてくださいと書かれた紙の下には茶色の新品のローファーがあった。
その靴に足を入れて玄関を出る。
そのまま先程貰った浦原が丁寧に書いた地図を見つめながら空座第一高校へと歩いて向かっていった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ