遙かなる時空の中で
□ネコ弁慶の長い1日。 その1
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そして、その代わりというのはなんだが、床がとてつもなく近い。
「弁慶さん〜…あれ?」
ふすまを開けて入ってきたのは、望美だった。
「…いない。」
『望美さん。ここにいますよ。』
そう、声をかけた。 いや、かけたつもりだったが、耳に届いたのは、
にゃー
という、なんとも間抜けなネコの鳴き声だった。
「こんなところに…ネコ?」
気付いたらしい望美が、それはもう軽々と弁慶を抱き上げた。
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