弁慶がネコの姿になってしまってから、丸二日が経った。しかし弁慶の家出癖(?)にはみな慣れたもので、いまはそれといった急ぎのようもないため、弁慶の行方を心から心配するものはいなかった。
ただ、望美を除いて。
「弁慶さん、大丈夫かな…」
今日も彼女は、身体にひびかない程度にできる限りの夜更かしをして、弁慶の帰りを待っていた。
その膝の上で、弁慶はかすかに瞳を曇らせた。
『…そろそろ、なんとかしなくてはいけないでしょうね。』
ほぅ、と望美の白い息が、闇に溶けていった。
To be continude…
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