プリキュア創作2

□夏休みお土産話(人魚)
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「へえ、ひかるちゃん達も人魚になったんだねえ」
「そうなんですよ、ほまれさん!もうキラやば〜!でしたよ!」

夏休み、ひかるちゃん達はサマーン星を目指して宇宙を大冒険してきた話を私の家でゆっくりとお土産話を楽しく聞いていた。

「にしてもひかるちゃんと私って、星のプリキュアでもあるんだけど、忍者やったり人魚にもなったり、色々共通点が多いよね」
「…ん、その言い方だと、ほまれさんも人魚になったことあるんですか?」
「うん、まあ正確には絵本の中に入れた影響で『人魚になった設定』でほとんど幻みたいなのだったけどね」

…私はその人魚の絵本の中でほまれがビシン君と何をしたのか、実際見た訳ではないけど。
今振り返ってみると、あの戦いの直後辺りからよりハリーへの秘めた想いが強くなっていた気がする。
…思わず人魚トークに花を咲かせてしまいそうになったけど、ほまれにとって辛い思い出を掘り返すことにならないと良いけど…。

「絵本の中の人魚ですか〜、じゃあ宇宙人の人魚とは確かにちょっと違うかもしれませんね。原作絵本の人魚ってちょっと悲しい話ですしね」
「…う、うん」

…あ、いけない。ほまれがちょっとだけシュンとしてしまっている。ひかるちゃんには悪気はないと思うけど、そろそろ話題を逸らしてあげないと…えっとでも何を話せばいいんだろう…うーん…

「へえ〜輝木ほまれも人魚になったのね。きっとあなたのことだからさぞや美味しそうな人魚だったにゃんね〜」

っと。
私が話題を探しているところを、何とユニが会話に挟まってきた。

「ってユニ!?私達が人魚になった時もそんな風に見てたの!?そういえば金魚も食べようとしてたしね。キラやば〜」
「まああくまで見た目の問題よ。それに大元をもっと辿れば、人魚の肉を食べると永遠の命を持てると言われるほどの美味と言うじゃない」
「ああ、それはどっちかっていうと日本の方の人魚だよね。私の場合は東洋よりの人魚だったかな」
「ああ、そういえば国によっても人魚のイメージって違ったにゃんね。今度どれが美味しそうか絵本のカタログを見てみたいにゃん」
「ってやっぱり食べ物として見てるじゃん〜ユニ〜!!!絵本をお寿司屋さんのメニュー表みたいに言わないでよ〜」
「でもいくらなんでも半魚人はマズそうだとは思うにゃんよ?固そうだし」
「うわ〜やめて〜想像力を掻き立てるようなこと言わないで〜」
「ふふ、ひかるちゃんとユニも冗談言えるくらいに仲良くなったんだね〜」
「………」

…っと、私が声をかけるまでもなく、何だかユニちゃんが話題を逸らしてくれた感じになってくれていた。

ツンツン、っと。

雰囲気も変わらずひかるちゃんとほまれが会話している中、ユニが私の脇を隠れてついてきた。

(…どうしたの、ユニちゃん…)
(さっき輝木ほまれの雰囲気がちょっと変わったからフォローしておいたけど、良かったかしらね、あれで。彼女、人魚の話題しない方がよかったのかしら…)

…っと、どうやら事情を知らないはずのユニちゃんが気を遣ってくれたらしい。

(…実を言うと私もあの人魚の絵本の世界でほまれに何があったのか知っている訳ではないの。ただ人魚の話題を出したらちょっとだけ暗くなってたのは正解。私も何かしてあげようとおもってたところを先に気を遣ってくれて、ありがとうね、ユニちゃん)
(…いや、別に…)

背中合わせに座りながら、ユニちゃんの呼吸が伝わってくるくらいの距離間になる私達。

(あなた達二人には色々お世話になったから、こんくらいのことはしないとね)
(…ありがとう、ユニちゃん…本当に…)
これこそ恥ずかしいから言葉にも出来ないけど

本当に、成長したんだね、ユニちゃん。

(…にしても輝木ほまれのことなら何でも知ってそうなあなたでも、知らないことはあるのね)
(…うん、言って来ない以上は私からも無理に聞かないようにしてるの。実際ほまれの中ではもう乗り越えてることかもしれないし、変に過去を詮索する必要もないと思うの。ほまれにはこれから幸せになるだけでいて欲しいし。その邪魔はしたくないかな)
(…はああ〜、やっぱり私にも、薬師寺さあやばりの気遣い能力がほしいにゃんね…)
(…そんなことないと思うよ。実際今だってすごく助かったし)
(…私が本当に気を遣いたいのは、もっともっとデリケートな奴なの。そいつとも、あなた達ほどとは行かずとも真似できる関係でいたいのよね)

…それって惑星レインボーの人のことだろうか、それとも…

「おーい、さあや、ユニ。二人で何コソコソしてるの?」
「次はプルルン星の中心の星のお話しますね〜」
「あ、はーい、行こ、ユニちゃん」
「…にゃん」

…まあいいや。それこそユニちゃんの心に余裕が出来た時に、言ってくれるような。
そんな寄り添える関係で、彼女とも付き合っていきたいな。
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