プリキュア創作3

□浜名湖ボートレース場にいくさあほま
1ページ/1ページ

お正月にお互い時間が取れたので、今日はさあや先生の運転で静岡県の浜名湖ボートレース場まで遊びにきた私達。

「うわあ!ほまれ見て見て!ボートに試乗出来るわよ!」
「あは…大人になってもさあや先生らしいよね」

こういう競争の娯楽でお馬さんや競輪じゃなくてマシンめいたものをチョイスするあたりも変わらないところである。

「んーにしても競泳のお仕事ってどちらかというと私の同業者みたいなものだから勝負にお金を賭けるのはちょっと気が引けるかな」

言うてそれが選手たちのお金になって活動資金になるので、合法である以上は適度にお金を使うのもやむなし何だけど。

「ボートレースは推しの選手を作る楽しさもあるんだけど、会場の特性や水質、その日レースを共にする選手との駆け引きの相性もあるからまた読み合いが違って楽しいのよね」

…私には何のこっちゃだかさっぱりだけど、でもまあ観る分には楽しいし、お金もそんなに使う訳でもないので本当に娯楽として楽しむのが選手達としても本望だろうか。
っていうか入口で勝った新聞みたいなのに書いてある数字の意味もよく分からない。

「…っていうか何を予想するの?どこに言ったら賭けが出来るの?サングラスしてる悪そうな人に話しかければいいの?」

モンキーターンって漫画が確かあったはずだけど、ちゃんと読んでくればよかったかなあ。

「…いや、どんなイメージよ…普通に宝くじみたいなマークシートに書いてあとは券売機で買えるわよ…」
「…宝くじもやったことないからよく分からない…」

っていうかさあや先生も別にお金に困った生き方してないでしょ。

「ほまれとの将来を考えて色々貯蓄をしないとね…」
「…別に私が稼ぐから良いんだけど…あ、始まったよ!おー、選手ごとに色で分かれてるんだね。誰が一番になるか予想するの?」
「そういうのもあるんだけど、基本的には一番から三番までの順位を予想するほま。その順位を予想して配当金をもらうほまよ」
「ほーん」
私はよく分からないから適応にエールの赤、アンジュの青、私の黄色とかで予想しておこうかな。
そんなことをボケッと考えていると。

なーんどでもおーこすよきらめーくきーせきー
かーがやく未来をだきしーめてー

ぷりーきゅあー

っと。
何だか中学二年生の時によく聞いた音楽が入口のステージから聞こえてきた。

「え、何?何?これHUGっとプリキュアのオープニングじゃない?何でボート場で流れてるの?」
「…ああ、そっか。今日はキュアエールとエトワールが遊びに来る日だったのね」
「はなが!?っていうか私はここにいるよ?」

ちょっとちょっと、今日はオフのはずなんだけど!?

「あーそういう意味じゃなくて、浜名湖パルパルも近いから、子供さん向けのショーの一環としてプリキュアショーも催してるみたいなのよね。それにしてもまだ十二年前の私達世代のショーがやってるとは驚きだけど…」
あー、でも考えてみたらキュアブラックやフローラとかも未だにキャラクターショーで呼ばれるって聞くしねえ。
今の世代の子達に私達も認知されてるんだろうか。
「ちょっと見にいってみましょうか」
入口のステージに向かってみると、そこには…

「おお、本当にキュアエールとエトワールがステージでショーやってる…」
「…っていうか今のお子さんにも人気のようで何よりね」

うわあ、嬉しい…
私達は確かに未だにたまーに発生するオシマイダーの退治を義務で出動する時はあるけど。
昔のままの姿のエトワールが。
未だに子供達に愛されるヒーローとしてこっそりショーをやっていてくれて変わらない役目をしてくれて泣きそうなくらい嬉しい。

「キュアエトワールの輝木ほまれだよ。みんなは初詣に行った?私はかわいい着物を着て、今年も良いことがいっぱいにあるようにって願ってきたんだ。みんなも楽しい思い出をいっぱい作ろうね」

っと、壇上のエトワールがそう挨拶した。

「私に似た声でちゃんとお正月のボイス収録してる!すごい!いつの間に!」

小倉唯さんいつのまに収録してたの?新規!?
っていうか中学二年生のままのエトワールでも!ちゃんと2031年を迎えていたんだ!感動!
…そっか、子供達の間ではまだ、キュアエトワールのまんまで時が進んで新しい年を迎えているんだ…
今年も楽しいことがいっぱい…か。
実際私が中学二年生だった2018年は楽しいこと以外にも大変なこといっぱいあった年だったけど。
子供さん達の中のエトワールにとっては、毎年楽しいことばかりの年なんだなあ。

…って今も、さあや先生と無事デート出来てて幸せ何だけどね。

「うわ!すごい!あのスーツアクターさん!ちゃんと足を高くあげる変身ポーズ再現出来てる!すごい!」
「ちょ…ほまれ…声の収録とかアクターさんとか言わないの…」
「ああ、ごめんごめん…」
それこそ子供の夢を守る同業者だもんね。
「…っていうかアンジュはいないんだね」
「…まあそれこそあのエトワールのアクターさんの得意分野や体型がエトワールだから選ばれてるのかもね。エールは主人公だから良いとしても小規模なショーとなると少人数で得意な役やった方が安牌だろうし」
…さすが元子役なだけあってか、さあや先生にとっては夢のお仕事というよか昔の同僚に向けるような言葉だった。
「まあそれに実際の私もどっちかっていうとカメコとしてはなとほまれのいちゃいちゃを眺めてたい方だし」
「…私はさあやといちゃいちゃしたいんだけどな…」
「それじゃあこのレースが終わったら、ゆっくりね」
「わーい!」

子供達の邪魔をしては悪いので大人になった私達は自分の道へと帰っていく。
私は私の選んだ道で頑張るからさ。
変わらないでいてくれるもう一人の私。子供達の笑顔を、これからも一緒に守ろうね。
2031年も、良い年になりますように。
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ