プリキュア創作7

□さんごといおり
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「いおりさーん!お久しぶりですー!」
「さんごちゃん!ファッションショー以来だね!」
 
 今日はこの間のショーで知り合った大学生モデルのいおりさんとお食事しながら服のお話をしてもらえるようになった。いおりさん、ショーの時もかっこいい信念を持って私を引っ張ってくれたり、かわいいを届ける仲間がいるってことを教えてくれたお姉さんだったから仲良くなれて嬉しいなー。
「それにしてもさんごちゃん…」
「…はい…」
「今日の服もかわいいね」
「やったー!ありがとうございますー!」
 えへへ、何だかこんな風に褒められるとデートしているみたい。もう少し早くいおりさんに会っていたら、好きになっちゃってたかもしれないね。
「…ってその感じだともう好きな人がいるって感じね。はー、残念」
「ええー!?そこまで分かっちゃいますー?」
 ってそこらへんはさすが大人のお姉さんだな…外見だけじゃなくて中身もかっこいいんだ…
「ええ、何だか引っ込み思案なあなたがランウェイで立派に歩けるようになったのはもう、自信を付けさせてくれる誰かがいる、ってことなんだよね。この間見たよ、あおぞら市のクイズ大会で活躍してる番組も。あの部活のメンバーで好きな子とかいるのかな?」
 …っておお、そこまで見ててくれたんだ。いおりさん、私のことよく見てくれてるんだな。
「ええ、実は…そう…」
「おお!当てちゃおうかなー。あのピンクの髪の子とか派手でみんなを引っ張っていく力とかありそうだよねー」
 ローラのことかな。確かに山辺ゆなさんのドラマの特訓をする時も着ぐるみを着ている最中はローラならどうするのかを意識していたのかもしれない。あるいはまなつちゃんみたいな自分の好きなものは好き!って紫色のチューリップを好きって言える勇気を貰えたり、あすか先輩みたいにみんなをまとめてみようと放送部で頑張ってみたり。
 でもやっぱり、私のかわいいを届けたい相手は…
「むむむ、まああんまり無理矢理聞くのもかっこ悪いからしばらくさんごちゃんと付き合う中でこっそり分かっちゃうのが楽しいから今日はおわずけにしておこうかな」
「ええー!聞かないんですか!それはそれで何だか肩すかし…」
 でもいおりさんのことだからすぐにばれちゃうかもしれないけど…
「でも実際さんごちゃんは難しい方だよね。好きな人の為にメイクをする!とかファッションをする!っていうモチベーションより、自分のかわいいを発信するタイプのモデルになっていくだろうし」
「わ!私がモデル!?なれるかなー?」
「なれるなれる!これからライバルになるかもしれないから、付き合っていこうって思ったし!」
 はわわ、いおりさんそんな風に私を評価してくれるんだ…嬉しいな…コニーさんも褒めてくれてたし、本当になっちゃおうかな、モデル。そんな未来も悪くないかもしれない。
 だって私も文化祭の時に、普段と違ってメイクをしたら違う自分になれたみたいにすらすらインタビューに答えていたあの人みたいになりたい、って気持ちもあるし、違う自分になるのすっごく楽しかったしね。
 …もし私がモデルになりたい、って言ったら応援してくれるかな…みのりん先輩。
「じー…」
「あ、あの。何でしょういおりさん…」
「はーーあ、やっぱり私が入る余地なさそうだね。よっぽどあの先輩のことが好きみたいね、さんごちゃん」
 あうー、『先輩』だってことはもうバレちゃったのかな。もうほとんど知られたようなものかな。
「もう告白はしたの?」
「…いえ、まだ…えへへ、もうちょっとこの関係がいいかなって思ってます…でも」
「でも?」
「いつかランウェイを歩けたみたいに、勇気を出したいなって時はあります」
 好きな人の為に勇気を出す。私って変な子かなって悩む時や地味すぎるなって悩む時もあるけど、やっぱり普通の女の子らしいところもあるじゃんって安心する。
 ああ、やっぱりファッションっていいな。
 キラキラした恋って、いいな。
 トロピカる部に入れて、今しか出来ないことを全力で取り組む自分になれて、本当に良かった。
「でも私はプロのモデルを目指してるから、私らしいやり方でさんごちゃんを振り向かせてみせる。これからもよろしくね、さんごちゃん」
「…はい!」
 これからもいおりさんと仲良くしていって、またファッションショーに出れたらいいな。なんちゃって。
「ところでこれ、過去の東京ガールズコレクションの動画なんだけど、見る?」
「あれー?私みたいな中学生の子も出てる!?あれ!?これのどかちゃん!?あ!カグヤちゃんもいる〜」
「あら、知り合いだったのね」
 コラボダンスパーティの時に出会ったヒーリングっどプリキュアのみなさんや他のプリキュアさんらしきチームもファッションショーに出てたんだ。いいなー、私もいつか、今度はみんなと一緒にファッションショーに出てみたいな。
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