プリキュア創作

□さあやの家に遊びにいくほまれちゃん(43話後)
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今日は久々にさあやの家へと遊びにいくことにした。
「うわー前に来たときよりお医者さんの本が増えたねー」
さすが、勉強熱心のさあやである。前はお芝居の本ばかりだったのに今では医学書ばかりの部屋になってた。
…まあ、さあやにとっては勉強じゃなくて夢と趣味も併用してると思うんだけど。
「ごめんね、散らかってて」
「ううん、普段さあやがどんな本読んでるかも気になるしね…ってあれ?」
…どう見ても医学書ではない、普通の娯楽小説っぽいものも発見してしまう。前の女優業の名残なんだろうか。
「あ…それは…」
「おお…結構な恋愛小説っぽいのも読むんだね、さあや。女優の時の資料かな?」
…でもさあやが女優してた時って、ファンタジー系が多くてあまり恋愛関係に発展する話が少なかった気がする。
「これもしかしてさあやの趣味の本だったりする…意外って言っちゃ悪いけど、さあやもこういう本読むんだね」
…そりゃさあやもかわいい女子だもんね。ドリルとかカレーとかばかりじゃなくこういうのにも興味を持っても不思議じゃないだろう。
…でも何だろう。心のどこかはちくちくするけど。
「ああ!その本…今では隠してたんだけど、お勉強の本に紛れちゃったのかな…?」
「んん?隠してた?」
…聞き捨てならないね。さあやが私に隠し事してるなんて…ちょっとショックである。
「さあやは私にこういう本読んでるの知られたくなかったのかな…」
「ああ!違うの。そういう意味じゃないの。ほまれってほら…ハリーに思いを秘めてたころさ…人魚姫読んだだけで拗らせてたじゃない。だからあんまり刺激の強そうな本は隠してたのよね…」
…って…え?
「私が人魚姫読んであたふたしてたこともバレてた訳!?」
「ええ…まあそりゃ…」
く、くうーーー!我ながらどんだけバレバレだったの!
…まあそれこそさあや隠し事しようとしてた私の方が無謀だったかもしれないけど。
「…じゃあさあやは私のためにこういう本を隠してくれてたってこと」
「まあ大袈裟に言うとそうなっちゃうかな。あ!でもあくまでこれもお芝居の資料として買ってた本だから!別に私が恋愛願望あるとかそういうのじゃないからね!」
あ、いやごめん。そこまで突っ込んだことは聞くつもりはなかったけど。
けど不思議なものである。
少し前の私ならさあやと一緒にこうした恋愛トークできる心境ではなかったけど、今はこうして吹っ切れてできている。
…これもさあやとみんなのおかげだからね。今の私がいれるのは。
「さあやってさ、どんな人がタイプなの…?」
「…さあ、まだ分からないや」
「…そうだよね」
…正直この博識で誰でも助けちゃう天使のようなさあやに釣り合う男の人がいるかどうかは甚だ疑問ではある。
…いっそのこと私が立候補してもいいくらいなんだけど、まだちょっと臆病なところがあるからさあやと言えどそこまで心の全部は言えない。
もうちょっと、時間を置いて整理してから、私はこの子のことを真剣に考えたいから。
「…意地悪みたいな返し方するけど、じゃあほまれはどうなの…これからまたハリーみたいな人を好きになる?ああ!ごめんね!答えたくなかったらいいの!傷つけたらごめんなさい!」
っとあたふたするさあや。
…そうか、こうやって私はあの夏祭りからずっとこの子に気を使われて守られてたんだな。
今のこの台詞だって、今の私になら言っていいって判断してくれたから言えたことなんだろう。
その勇気と優しさを、今度は全力で私が守りたい。
「…どうだろうね。私もまだ分からないけど少なくともハリーのことはもう吹っ切れたかな。ハリーみたいな人を好きになるって言われても、いくら似てる共通点がところがあったとしても、ハリーじゃない別人を改めて好きになることはないと思うよ」
「そう…」
心底安心するようなさあや。彼女の嬉しそうな顔を見てしまうと私もほころんでしまう。
「多分これから私が好きになるのは…いつでも見守ってくれる優しい人…」
「ほまれ…?」
「誰でも助ける勇気を持ってても、助けるタイミングは絶対に間違えない。けどちょっと危うい子供みたいな純粋さも持っててさ。今度は私がそんな人の支えになりたいの」
うっかりさあやの肩をつかんでしまう。
やだ、私ったら何やってるの…これじゃほぼ言ってるみたいじゃん…
でもダメ。もう止められない。

「輝木ほまれは、薬師寺さあやのことが…っ!」

ドサドサドサー!

っと、さあやの後ろのクローゼットが崩れて雪崩が起きる。

「ってぎゃーーーー!」
「あ!しまった!ほまれが来るから隠してた本が暴発しちゃった!」
「他にも隠してたの!」
やっぱりこの子の本心はまだ分からないな…でもこの雪崩で言葉が遮られて少し助かったかも…言っちゃうところだったもんね…
もう少し待っててね、さあや。今の言葉の続きは、クライアス社との戦いが終わったらちゃんと言うから…

「とりあえず片付けようか。うわー案の定色んな本があるね…どれどれ…」
「あ!だめ!見ないで!」

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「おほおほ!おほほほほほほほ!」
「およ〜やっぱりほまれが壊れたー!」
…やっぱり、さあやの秘密を知るにはまだまだ未熟かもね…


💙(際どい百合本はホラー本の中でカモフラージュしておいて正解だったほまね…)
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