プリキュア創作

□トラウム✖ダイガンSS
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「ルールーちゅわーん!トラウムパパがライブの応援にきたよー!」
っとツインラブの楽屋にきたところ…
「げ!お前はトラウム博士!何でここに!」
ルールーちゃんはおろか可愛らしい女の子は一人もおらず、中には中年のおっさんが一人で内職作業をしていた。
…むむ、これはもしかして…?
「ルールーちゃんめ…嘘の情報を渡したな…」
「な、何をしにきた…トラウム…まさかお前までまた私をクライアス社に戻そうとしにきたのか…」
っと、ダイガン元支部長は相変わらず検討違いなことばかりほざいていた。
「ああ…そうか、君にはまだ教えてなかったね。私もクライアス社はとっくに退職したんだよ。今はちゃんと罪滅ぼしをしようと君たちみたいに慈善活動中だから安心してくれたまえ」
「ぬぬ…私達MMA社はこれでもちゃんとした利益を目的とした会社だぞ…」
「…あらそうザンスか」
…それにしてもダイガン元支部長がやってることはいかにもコツコツとした作業で、とても一流企業のやることには見えなかった。
「ふふ…じゃあ私はボランティアの一貫として発明品を提供してあげようか?こんな簡単な作業くらいならすぐに作れるロボットで済ませると思うよ」
「だ!誰が貴様なんかの発明品に頼るかよ!また攻撃されちゃあたまったもんじゃないからな!」
…ふむ、まあ考えてみれば私はダイガン元支部長をあの時殺すつもりで攻撃したのだ。
何故か生きていてくれるのはありがたいが(大方あの時のキュアアンジュの治療が適格だったおかげだろうか。あとで改めて薬師寺さあやにはお礼を言っておこう)、
確かに自分を殺そうとした相手の言葉など信じたくもないというのが人情というものだろう。今この場で殴りられても私は文句を言える立場ではない。
…私もこれからルールーちゃんと全うに生きるためにも、罪滅ぼしをするというならまず先に謝罪しなければいけなかったのは彼であるはずだ。
私は帽子を脱いで額を床に着ける。
「な!トラウム博士!一体何を!」
「これであなたの気が済むとは到底思ってはいない。望むのであれば私の頭を蹴飛ばすなり、その豪腕で殴りかかって貰っても構わない。私はあなたにそれ以上の酷い仕打ちをしてきた」
「わわわ!待ってくれ!私だってそんな立派な立場ではないのだ!恥ずかしいからとりあえず頭をあげてくれ!」
渋々頭を上げる。目の前には涙目の中年のおっさんの瞳があった。
「…まあ、私がクライアス社にいたころ特に仕事が出来たという訳ではないので特に被害を多く出してしまったという訳でもないのだが…」
「そういえばそうだったね。私が五秒で片付けてしまったから」
「やっぱり一発ぶん殴るぞ!」
…おっといかんいかん、今この場だけはお茶目は自重しておかないと。
「…それでもあなたに止められてなかったら私も取り返しのつかないことをしていたかもしれない…実際この間のハロウィンでもリストルにそそのかされて猛オシマイダーを発注してたし…罪の量は違うかもしれないけど、質はあなたと同じのつもりでこの業務にあたってるつもりですよ。あなたと私の間の立場に大差なんてないんだよ。謝られても困る…」
「…けどこれは私のケジメだ」
相手はダイガン元支部長ではあるが、私はルールーちゃんに、心の中のアムールに告げるようにして言う。
「私ももう一度やり直したいと思ってこの場にきている。あなたがハロウィンの時に迷っていたというならもっと早く来るべきでした。こんな年ではあるが、やり直したいと判断して、もう一度スタートすることはとても勇気のいることだ。とても出来ることじゃない。あなたは私より早くそれが出来て皆を支えてくれている。謝罪だけではない、大人としても尊敬するという意味でも頭を下げる価値のある人間ですよ。ダイガン元支部長」
「…だったらその元支部長という肩書きはやめて貰えないかね。頭を上げて、この名刺を受け取ってくれ」
そう言われて目の前にあったのは、MMA社の専務記された名刺だった。
「私は今はこの立場で忙しいんだよ。昔の話は五分で終わらせて早く仕事に戻りたいのだよ。だからもう終わりにしましょう、トラウムさん」
「…ありがとう、ダイガン専務」
ピコピコリーン。
っと、そのタイミングになって携帯端末から着信音が聞こえてくる。
「…失礼」
「どうぞ」
見るとルールーちゃんからのメッセージだった。

『上手くいきましたか?父さん』

「…ふふ、あの子ったら」
…罪滅ぼしに関してはあの子の方がもっと先輩だったな。やっぱり私は決心するタイミングがいつだって遅いのだ。遅れた分はしっかりと巻き返さないとな。
「これからも共に、プリキュアを助ける仲間として助け合いましょう。ダイガン専務」
「ああ、よろしく。トラウムさん」



「ってなことでMMA社のために内職用ロボットを無償で提供させて貰いまーす」
「うひょー、ダイガン社長より役に立つロボじゃーん」
「あなたがいれば私の会社も安泰ね!あ、ダイガンにはこれから掃き掃除とかしてもらおうかしら」
「のーん!私の仕事がー!」
「あ、それも私のロボで…」
「やっぱりあんた帰ってくれないか!」
終わり。
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