プリキュア創作2

□まどかのパパとママ
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「それでは今日もお友達の家にお泊りに行かせてもらいます。お父様」
「…ああ、先方に迷惑かけるんじゃないぞ。まどか」
「はい」

そうお辞儀して、まどかは足取り軽く出発していった。

「夏休みに入ってから、連日お友達の家に遊びに行ってるわね、まどか」
「満佳か…見てたのか」
「…意外とお止にならないんですね」
冬貴さんは眼鏡を軽く拭いて、一呼吸置いて言う。
「…別に、稽古のノルマも宿題も終わらせている。遅れた分はしっかり取り戻す約束もしているし、外出を納得させるだけの対価はまどかはちゃんと払っているさ…それに…」
「…それに…?」
「…まどかは来年にも家を離れて留学しなくてはいけないからな。今の内に友達の家に外泊していく経験もしておかないとダメだろうよ」
「…そうですか」
「…お前こそ、まるで私がまどかを外に出したくないみたいな言い草だったな」
「…そんなことないですよ。私は冬貴さんが不器用なのを知っているからまどかにああいう風な態度になっちゃうのはしょうがないとは思ってますよ。けど、だんだんまどかもあなたのこと分かってきてあげれたから、安心して日々のお稽古にも熱が入れて、お友達の家に遊びに行けるメリハリがついてるんじゃないですか?」
「…そうかな。私は相変わらずまどかにとって目の上のたんこぶかと思うけどな…」
「…そんなことだろうと思って、じゃーん」
っと、私は前にまどかから尋ねられて探したあるものを、冬貴さんにも見せてあげる。
「…あ!これは私が学生時代に所属していた『SF研究会』の合宿写真じゃないか!何でこんな古い写真が!」
「…まどかがね、香久矢家の歴史を調べながら最近SFに興味持ったみたいでね。一緒に倉庫を物色してたら出てきたの。この頃のあたなも中々無邪気そうでかわいいわね」
「…青いころの写真だよ。親としての威厳が…」
「…青くないころのない親なんて、気持ち悪いものよ。まどかだって、ちゃんと子供のうちに子供らしいことをしてないと、将来ロクな大人にならないから、中学生の時くらいは、当時のあたなみたいにしてていいんだって、教えることも大切なんじゃないの?」
「…私には香久矢家の厳しさ方面を教えないといけない義務がある。やらなきゃいけないことをやった上で羽目を外さないと意味がないからな」
「…なら、私は冬貴さんの教育の裏側をカバーするだけですよ」
「ふむ」
拭いた眼鏡を改めてかけて、彼は久々に私を真っ直ぐ見つめてくれた。
「…いつもありがとうな、満佳」
「いーえ、いつものことですから」
「そろそろ仕事だな、私は家を出るぞ」
「…行ってらっしゃい、冬貴さん」
「ああ」

まどかを送った冬貴さんを改めて送り出す私。
…この生活も、あと半年あまりだろうか。私もこの瞬間を大事に噛みしめていきたいな。
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