プリキュア創作2

□コミケに行くさあほま
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「はあ〜熱い〜」

アキとジュンナに頼まれて私は東京ビッグサイトで開催されてるコミックマーケットというイベントにお使いに来ていた。
それにしてもこの熱い中、この人達は何故こうも情熱をたぎらせて動いているのだろうか。一体彼らを動かすものは何なのか。
…あんましよく分かってないけど、POPとか見るとえっちな絵柄とか多い。あんまりイメージだけで語るのはよくないけど、みんなえっちな本を探しに頑張ってるのかな。
…ってアキとジュンナは私に何を買わせようとしてるの!!

「ってあったあった、えっと『さ-40』ってここかな…ってあれ!?」
「いらっしゃいませ〜良かったら見ていって下さい〜ってあれ!?」
ブースの向こうにいたのは、普段あまり見ない普段着のさあや先生が接客をしていた。
「何やってるの!?さあや先生!」
「ほまれこそ!何でここにいるの!あなたにはここは刺激が強すぎるでしょ!!!」
いや、言うてもう26だから大丈夫だとは思うけど。ドキドキはするけどね。
「そんな…さあや先生もえっちな本を売ってるんだね…ってよく見たら…」
ドリル、カレー、電化製品、コスプレの衣装のあれこれ、カメラ、その他さあや先生の雑多な趣味ごとにまとめた本がずらりと並んでいた。
「えっちな本じゃない!?意外!さあやならやばそうな本書いてそうなイメージだけど!」
「勘違いされるのはしょうがないけど、別にコミケはえっちな本を売るだけの場所じゃないからね。あと普通にヤバイ本は審査で落とされるから」
…まあ言われて見たらそうだろう。
「ここは市場とかでは発行できない。あくまで趣味の自由研究を発表する場として私は活用してるかな。勿論自分のやりたいことや求められてることが商売と合致してる一部の人もいるけど、どんな色の本があっても基本的には許される。レインボーな価値観がコミケの理念なの」
…ふむ、なるほどね。
よく見たらさあやの回りの人の本は同じく電化製品やら旅の本やら鉄道のことをまとめた本が多いように見えた。市場では会社で運営してるから企画を会議で通して売れなきゃいけない商売の本をみんなで作るのが仕事だけど。
コミケはあくまで『自分の趣味で自由に出版する』場所なんだね。さあや先生にはピッタリな場所と思えた。
「楽しい?」
「うん!」
「私もさあやの大切にしてる価値観、知れてよかったよ」
「まあそれがコミケの理念ですから」
…えっちな本も多いのも確かだけど、ちゃんと現場に来てみるとむしろさあや側の人の方が圧倒的に多いんだね。イメージだけで決めつけるようなことをしないでよかったな。
「で、ほまれは私のブースに何しにきたの?知られてないアカウントで運営してたつもりだけど…」
「さ、さあやにも色んな顔があるんだね…」
…別に隠してたって訳じゃないだろうけど。
「アキとジュンナに買ってきてって頼まれたんだよ。さあや先生のとこのだっだね、この番地。言ってくれれば良かったのに」
「…ん?『サ-40』?これ西館じゃなくて南館の番地ね。ここはひらがなの『さ-40』よ」
「げ!カタカナとひらがなの違いがあるの!わかりづらい!」
「初心者あるあるね…これでも15年くらい前より楽にはなったのよ」
15年って。
さあやさん、小学生のころからここで活動してたの?
「まあいいわ、交代要員呼んで私が案内してあげるから」
「えー、本当?いいのー?わーい!コミケデートだ!」
「デートなんて生易しいものじゃないわ!ここは戦場よ!私の尻をしっかり追って来なさい!ほまれ!」
「アイアイさあやー」
ふふ…楽しそうなさあやを見られてよかったな。
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