プリキュア創作3

□Hなことするさあほま本サンプル
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「いやー、まさかあのネズミさんが妊娠中だったとはねー」
 …駆けつけてきてくれたマキ先生のおかげで出産は無事成功することとなった。かわいいネズミさんの赤ちゃんを布に抱えたマキ先生が愛崎コンツェルン製の緊急の無菌空間を作るビニールドームから出てきたのをみて、ほまれさんがはあーっと大きく息を吐いた。
 …緊張の糸がほどけて私も遅れて方から力を抜くけど、横目で見てみるとさあや先生はマキ先生の一挙手一投足を細かく観察している様子だった。さ、さすが現役医師。師匠のマキ先生の技術を盗もうとしてるんだね。
 …別に将来本格的に医師を目指すかまだ決めてないけど、さあやお姉ちゃんのこの姿勢は見習わないといけないよね。
 コツコツコツと、赤ちゃんを安静な場所に落ち着かせたマキ先生は私の近くへ寄ってくる。
「…あのまま戦闘行為を続けていたら流産していた確率はかなり高かったです。最悪な事態になる前によく気付いてくれましたね。川上あや…いや、キュアセルクルと言った方が良いかしらね」
「いえ!私なんてほんと!何にもしてませんから!」
 っとつい反射で叫んでしまうけど、コンコンとさあやお姉ちゃんに肘を当てられる。
「あ、ごめんなさい。赤ちゃんがいるのに安静にしてなきゃダメだよね」
「…ううん、謙遜しないで。実際セルクルの判断が無かったら取り返しのつかないことになってたかもしれないから。先輩医師としても感謝します」
「お姉ちゃん…」
「ちゅーちゅー」
 っとマキ先生がくるんだ布の中から新しい命の鼓動が聞こえてくる。
「はわ〜きゃわたん!ネズミさんの赤ちゃん!マジ天使!」
 っと結局一番大きな声を出して喜んでいるほまれさんが今度は本格的に注意の意味でのひじ打ちをさあやお姉ちゃんから受けていた。
「はいはいーまだ検査あるから安静にねー」
「ひえー、ごめんなさーい、薬師寺先生―」
「…ふふ」
 って結局またこの二人のいちゃいちゃムーブを目の当たりにしてしまった感。今の私の笑み、完全に脇役ポジションみたいで反省する。
「にしてもネズミさんって何かやっぱきゃわたんだよね。何となく懐かしい。ノスタルジーな気分になるよね」
「む…」
 っといちゃこらしていたはずなんだけど、ほまれさんの何気ない一言で一瞬曇る表情を見せるさあやお姉ちゃん。
 …おや、順風満帆のように見えて、さては今の一言、さあやおねえちゃんの地雷を踏む行為になっていたとか?ほまれさんとの差を作る為にも今の表情の変化を覚えておくとしよう。
 …何が理由かは分からないけど、私ならさあやお姉ちゃんにそんな表情させる人生を歩ませないからね。そんな女になってみせる。
「…それにしても改めてだけどありがとう、あやちゃん…キュアセルクル。私、もしかしたら赤ちゃんに攻撃してたかもしれないもんね。そんなことしてたら一生光景していたと思う」
 っと私がジェラシーを感じているというのにほまれさんと来たらこれまた純粋無垢な表情で近づいてきて頭を下げた。
「だ!だから!そんなに過大評価しないで下さいよ!」
 …本当に惨めになってきちゃうじゃん…私の方が年下何だけど、精神年齢はほまれさんの方が若い気がする。昔はもっとイケてるお姉さんの一員だったとは思うけど…
 …やっぱり、さあやお姉ちゃんを好きになると安心して子供の感性に帰れるのかな。
 …私とは真反対の人だな、ほんと。
「…命を救うのに過大評価も何もないよ。そんなこと言ったら芸能を売りにしてお金を稼いでいる私こそ過大評価されて生きてるようなものだよ。人から頂いた評価は何でも素直に受け取るものだよ。お姉さんからのアドバイス」
「…ふふ、ほまれもそういう年相応なこと言えるようになったのねえー」
「…もう、茶化さないでよ、さあや」
 …っと本人は大人ぶってるつもりでも、そこらへん見抜かれているあたりもいいコンビと思えた。
 …本当に、この二人の間に入れる余地、あるんだろうか。
「…まあ何はともあれ」
 改めて、っと言わんばかりにさあやお姉ちゃんは私に面と向かってくれた。さっき、変な告白をして嫌われちゃったと思ったけど
 相変わらずほまれさんとずっといちゃいちゃして疎外感を感じるけど
 あの日、弟が産まれる日に私をハグしてくれた天使のような包容力はずっと変わらないままだった。
 …ああ、ダメだ。やっぱり何度でも好きになってしまう。
「…ちゃんと命の大切さを知っていてくれて、嬉しかった。はやく同業者に慣れる日を楽しみにしてるね」
「…それは」
 …やっぱり、恋愛対象としてではなく、仲間としてなのかな。
 その気持ちを言葉にしてしまったら本当に失恋してしまうと思って言えなかった。
 …失恋は怖い。中学生の頃のほまれさんに出来たことを高校生の私が出来ないんだもん。
 …敵うわけないよね。
 敵うためには。
 ハグしてくれたさあやお姉ちゃんの中から出て、私も意を伝える。
 まだちょっと遠回りだけど、これが今の私の精一杯です。
「…少し、考える時間を頂戴。さあやお姉ちゃん」
「…それは将来まだ医者になるって決めきれてないこと?それとも…」
「…両方、かな」
 このままさあやお姉ちゃんの望みのまま、医者の仲間として彼女の側にいるのも悪くないだろう。それはそれできっと、ほまれさんとは違う存在になれると思う死、何より褒められて凄く嬉しかった。
 …やっぱり諦められないって思えた。
 …でも
「…私もあやちゃんくらいの頃は将来の夢がフラフラしてる時期もあったからね。十分に悩んで下さいな」
「…私の記憶によると、さあやあお姉ちゃんがお医者様を目指したのはもっと年下かと思ったんだけど。今私、高三だよ。もうギリギリでしょ?」
 …そこらへんもさあやお姉ちゃんのずっと後を追いかけてばかりの人生だよね、ほんと。
「まあ夢を追いかけだすのに遅いも早いもないからね。落ち込んだ分だけ高く飛べるのを、私も待ってるよ」
 …ってほまれさんに〆られるのはちょっとムッとはするけど。
「…とりあえずそこらへん散歩しにいくとします」
「え?今から散歩するの?」
 っとほまれさんがちょっと意外そうにびっくりするけど、身体を動かして思考を巡らせたい気分なんです、今は。
 …って改めてだけど金メダリストに言う台詞ではないよね、って思うけど。
「…いってらっしゃい、あやちゃん」
「…うん、行ってきます。さあやお姉ちゃん」
 好きな人に見送られて、私はあの青い空へ向けて歩き出す。
 …ちょっとだけ日が多々向いて、青って言うかちょっとだけ紫になっているのは私らしい空かな、って思った。

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(未完ですがこの続きはまたコミケという場が設けられましたら続けていきたいと思います。お見苦しい作品でしたがここまで見てくれた方がおりましたら不覚謝罪と感謝を述べさして頂きます。続きが出せるように励みにさせていただきます。ではでは)
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