プリキュア創作3

□星奈ひかるについて
1ページ/1ページ

「…さあやさん、ちょっと相談にのってほしいことがあるルン…」

…いつになく神妙な顔したララちゃんが私に話しかけてきてくれた。
…これはちょっと本腰を入れないといけないなと感じて私はAIさんと遼おじいさんの協力を得て誰も来ないプラネタリウムの部屋で彼女の話を聞くことにした。

「…ひかるちゃんの様子が、最近ちょっとおかしい?」
「ルン…気がする、程度ルンけど…」
「…詳しく聞いても大丈夫かな?」

ララちゃんは星を見つめながら、最近ひしひしと感じてきているひかるちゃんの変異について語る。
私からしてみればいつものひかるちゃんのように見える挙動でも、ずっと一緒にいて影響し合ってきたララちゃんだからこそ感じられる、底儚い程度の違和感。

えれなさんが留学することを語ってくれた時
まどかさんが自分のやりたいことを探すことを決めた時
ユニちゃんが将来的には惑星レインボーへと帰ると告白した時

「…ひかるは、無理して笑っているように見えたルン」
「…ララちゃんには、どうしてそれが無理してるって分かったのかな」
「…ひかるは…本当は寂しいと思っているはずルン。けど実はひかるってとんでもない能力の持ち主で、これまでは全部自分の好きのためにそれを使ってきたけど、今はそれを自分の感情を隠すために使っていると思うルン」

考えてみたら生徒会選挙の時から違和感は感じていたルン。

私もひかるが生徒会長になったら自由な学校を作れる存在になると思ってたけど

実際はまどかの想いを組んで真似事みたいなことをし始めてしまったルン。

「ひかるは優し過ぎるルン。これまで使ってきた能力を全部他人のために使おうとしていて、本来のひかるのやろうとしていることの邪魔になっていると思うルン…だけど」
「…ひかるちゃんにはその自覚がなくて、何だかいつか無理がたかってしまいそう、って思ってるの?」
「ルン…」

…確かに、それはずっと一緒にいたララちゃんにしか分からないことだろう。
星奈ひかるという少女は、ちょっと昔の私に似ているから何となく分かってしまう。

「自分が自分らしくあろうとしているのか、周りの人間の期待に応えようとすることに才能を全部使ってしまって、本当の自分が分からなくなってしまう、とかかな」
「ルン…さあやさんも分かるルン?」
「…まあ、ね」

私の場合は自分のありのままを曝け出したらいつか差別されたり攻撃されたりするからその前に隠してしまおう、って自己防衛もあったけど。

「…ひかるちゃんの場合は自分では自分らしくしようとしているところが怖いかな。いつか自覚と周りとの客観視がかみ合わなくなってしまう恐れがあるかも…」
「ルン…そんなの嫌ルン!ひかるがかわいそうルン…」
「…だからね」

えれなさんが家族がいてくれたから本当の笑顔になれた、って理由がよく分かった気がする。
私にも演技じゃなくて私自身のやりたいことを見つけるまで待ってくれるお母さん。
ほまれには、失恋しようとも変わらないでいてくれるちとせさんがいるからこそ勇気を出せたように。

「…だからせめてララちゃんだけは、本当のひかるちゃんを信じてあげてね」

私にできないことはあなたには出来る。
あなたに出来なことは私には出来る。

…聞くところによるとあのメンバーでひかるちゃんと本気で喧嘩したことあるの、ララちゃんだけだって言うし。

「ひかるちゃんを何でも出来るけど何にもなれない聖人にするんじゃなくて、羽衣ララの友達でいさせることが出来るのはララちゃんだけだからね」
「ルン…けど難しいルンね。ひかるが無理してるって自覚がない以上は今は何を話せばいいのか迷うルン。これはAIにも分からない、私が考えるしかないことルン」
「…とりあえず、私に言えることがあるとするなら『ここが限界だろうな』ってところを見極めてちゃんと話してあげることかな。確かにそのタイミングは難しいんだけど」
「オヨ、ほまれさんの時はさあやさん、上手くフォローしてたと聞くルン」
…ぎく、そのことやっぱり広まってるのね。
…私としても去年のあれ、ちゃんと出来てたか不安だったけど。
「…だからさあやさんに聞いてみたルン。ほまれさんが一人で悩むべき時に手を出さないで見守っていたあなただからこそ、意見を聞いてみたかったルン」
「…参考になれたかな、私ので」
「…ルン。私も、ほまれさんにとってのさあやさんみたいな存在になりたいって、勇気を貰えたルン」
…正直去年のことは思い出すのもまだ自分自身が辛くなるような大変な思い出になったけど。
…こうして、ララちゃんとひかるちゃんの為になれたなら勇気出した甲斐があったかなあ。

「あ、ララー!こんなところにいたんだ。あれ?さあやさんと密会中ー?」

っとそんなことを話しているとご本人様が登場してきた。
いつもみたいに明るく、元気なひかるちゃん。

…やっぱり私には分からないかな。

「うん、ララちゃんに星の見方を教えてもらってたんだー」
「おおー、キラやば〜、ララも星に詳しくなったんだね」
くいくい、っと一応形だけは肘を当ててフォローさせてもらう。
(…頑張ってね、ララちゃん)
(…ルン)

「…ひかるに教えてもらったから、私の中の宇宙も広がったルン。ひかるも、自分の中の宇宙を大切にしてね、ルン!」
「うん!ありがとね!ララ!」

…けどとりあえずは安心していいかな。

ララちゃんと話すひかるちゃん。
とっても輝いてるもん。
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ