プリキュア創作3

□2019年さあほまクリスマス
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ちょっと怖い夢を見て心の整理をするために遼おじいさんの天文台に行った私。
ある程度自分と向き合えたのは良いけど、すっかり時間が経ってしまってクリスマスだと言うのに私はポツンと観星町から歩いてはぐくみ市のとある場所を目指して地味に歩いていた。。
かつてビューティハリーがあった丘。今はもう何もない、ただの普通の寂れた丘。
クリスマスだと言うのにかつて賑わいをみせていたあのお店は、当然だけど何もなくなってしまえば誰も寄り付かない場所となっていた。
…去年はあんなに賑やかだったのに。色んな思い出を作った場所なのに。
少し寂しいな、っと思いつつも私達の中学二年生だった青春はもう過去のものだったと思い知ることとなる。
…遼おじいさんのことがあったから、じゃないけど、この移り変わりをただ傍観するのでなく、確認する意味でも星を観た最後の〆として訪れておきたかった。

…今朝夢を見た、もしもの世界の私。

一応がこれが今の現在の私です。

ハリーとルールー達は自分たちの故郷の都合があって帰ったけど。

中学三年生になった私はそれはそれで忙しい毎日を送ってはいます。

はなは自分の夢を叶えるために大変な受験を控えてクリスマスパーティどころじゃないし

私も医者になる夢を叶えるために今から数年間は勉強漬けの毎日だろう。

ほまれもこれから全盛期とばかりに去年以上に忙しくなって、これからシーズンまっだだ中の十二月とか遊んでいる暇は私達以上にないだろう。

…えみるちゃんは、正直今もどう接してあげたらいいのかちょっと分からない。あんまり賑やかにしちゃうと、それこそ去年のことを思い出させてしまいそうで匙加減が難しい。

こっちの世界もこっちで大変だからさ。

それをたまにではいいから、こうしてお互いの世界の情報交換とかしておきたいな。

「…って、さあや?」

そんなことをボケっと考えていると、丘の先の木の下で誰か先約がいたことに今更ながら気が付いてしまった。

ほまれだった。

「ほまれ、日本に帰ってたの?今モスクアで大会中じゃない?」
「…ま、ほぼ半日くらいしかないけどお忍びで帰ってこれたんだ」

…それで私達にまで隠れるようにして訪れたのが、ここなのね。

「…今の自分と去年の自分の足跡を整理するために、時間を割いてでも大きい大会の前にここに来てみたかったんだよね…そういうさあやこそ、受験。今が佳境じゃないの」
「…まあね」

そう言いつつ、私は寄り添うようにほまれの近くに行く。

私はデネブの役をもう、女優と一緒に降りることが出来たのだろうか。
今日見た夢とは違う自分になれているのだろうか。

私と言う星が今のほまれにとってどんなものなのか。

元々はそれを確かめるための、勉強時間を割いてでもやりたいことだったのだ。

「めちゃめちゃ忙しくはあるんだけど、去年の自分と今の自分の位置を確かめたくって、一人でもいいからここに来ちゃってたの」

そしたらほまれと一緒になれただなんて。

少しだけ、自惚れてもいいかな。

私が去年勇気をほんのちょっと出したことは、無駄じゃなかったって。

この人にとっての傍観者じゃなくて、一歩前に出れた存在になれただろうか。

「私も、ハリーに告白して出来た傷跡をみるために来てみたかったんだ」
「…傷?」
「ああ、怪我してる訳じゃないよ。心の問題。アンリにとってのアンフィニみたいなものかなあ。すごく辛いことがあって、心に大きなダメージを負ったかもしれないけど、その傷のおかげで新しい自分になれることができたって不可逆で共生しているみたいな傷。去年はその傷跡から出てくるエネルギーのおかげで輝けたけど、一年経った今、それがまだ傷なのか、かさぶたなのか、風化して元に戻っているのか、どうしても確認しておきたかったんだ」
「…して、その結果は?」
「うーん、考えをまとめようとしてたらさあやが来た」
「…邪魔しちゃったかな」
「…ううん」

去年と違ってイルミネーションはもうないはずなのに。
ほまれはハリーにもう恋をしていないのは確定しているのに。

彼女はキラキラと、去年以上に輝いた星に見えた。

「会えてすっごく嬉しくなってもうどうでもよくなっちゃったかな」

ぴょん、っと。
嬉しそうにちょっとだけは跳ねて近づいてきてくれたほまれ。

星同士の例えで言うなら、ベガの方からデネブに近づいて来てくれた。

そういう解釈で良いのかな。怒られないかな。

けどいっか。星の見方は人それぞれだし。

新しい星座の物語はまだまだこれから続いてくれるだろう。。

私達は星。姿かたち何もかも違うけど。
まだ旅の途中。

「さあやとこういう関係になれて嬉しい」
「…少しだけ、歩こうか。時間ある?」
「…ちょっとだけなら、ね」
「…私も」

去年と違ってかなり簡略化してしまったクリスマスだけど。

これからも、少しだけだけど私達らしいクリスマスを過ごせる人生でいれたらいいな。
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