プリキュア創作3

□アイワーンとアン
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「むう…おかしいっつーの、テンジョウとの連絡がここ数日取れないっつーの…」

ノットレイダーから追われたあたいだけど、グーテン星から撤退しているテンジョウの話をちょっと聞いたあげた時に個人間で仲直り?みたいなことが出来て以降定期的に連絡していたのだけれど。
…あんにゃろー、既読はつけているのに返事がおせーな、っとは思っていたけどいよいよ未読スルーまでしやがってきた。
…けどノットレイ達にも報連相を順守させているあのテンジョウが、組織を抜けたとは言えあたいのメッセージを全く見ないのはそれはそれで違和感だった。
…何だろうな、確かにそろそろあたいが抜ける前に試作していた『あのスーツ』の完成する頃合かもしれねーし、プリキュア達もトゥインクルイマジネーションを集め終えるだろうから。
…いよいよ、最終決戦の時が近づいてきているのかもしれない…っつーの。
…大丈夫かな、バケ…キュアコスモのやつ…

「あー!だからと言って追われているあたいが自分から様子見にいくのはなんつーか癪に障る!偵察用のドローンもダークネストの野郎が警戒を強めて全部壊していきやがるし!もーどうしたらいいっつーの!」

っとあたいも自分らしくなく、不用意に叫んでしまうけど。

「む!そこのデブリ群から変な声がするでありますね!くんくん!この臭いは!ノットレイダーの一味でありますね!?」

っと、どうやらここいらを巡回している星空警察に見つかってしまったらしい。
…臭いで判別してるってことは、犬型の宇宙警察だろうか…くそ、めんどくさそうなのに見つかっちまったっつーの!
さてはてどうしたものか、最悪戦闘行為の準備をしておかないと…

「…って、ノットレイダーはこれから総出でスターパレスに突貫するという情報が入っているであります。こんなへんぴなところにいる訳ないでありますね。本官も早くトッパー指令の艦隊と合流せねば!であります!」

…っと、何だか独り言の声が大きい奴ではあるが(情報漏洩しまくってるっつーの)。
…どうやらテンジョウと連絡つかない理由の推理が大体当たってるっぽいっつーの。
ノットレイダー達はスターパレスに向けて最終決戦の準備をしていて、星空連合もそれを追うように戦闘準備をしている際中らしい。
これはあたいもゆっくりしてらんないな。この星空警察の奴が消えてからこっそりステルスモードでスターパレスまで向かってみるっつー…

「待ってるでありますよー!ブルーキャット!ピンチになったら本官が颯爽と現れて助けて恩を売りまくってやるでありますー!」
「ちょお!今ブルーキャットって言ったっつーの!?」

っと、これまたあたいらしくなく、『やつ』の名前を出されて思わずデブリ群から飛び出してしまった。

「にょわ!やっぱりいたでありますか!…ってあなたは確か元ノットレイダー幹部のアイワーンで、それであとは確かとある星から捜索願いが出ていた…?」
何かごちゃごちゃと言っている犬型の星空警察のやつだが、ここまで出てきてしまった以上はもう勢いで押し切るしかねえっつーの。
「お前!ブルーキャットに恩を売るとか言ってたけど!どういう関係だっつーの!?」
「ふえ?本官でありますか?えーどんな関係と言われますと追う者と追われる者というか犬猿の仲というか、犬と猫ではあるんですけど…」
…って、あたいも冷静さを失ってるっつーの。
元怪盗のブルーキャットと星空警察の奴との関係と言ったらそれ以外に何があるつーの…
…あたいのイマジネーションも、変な感じに歪んできたっつーの。

「ああ!もしかして、本官とブルーキャットが変な関係にあるって勘違いしちゃいましたか?うふふ、まあ地球の界隈ですと『ユニアン』カプも人気みたいですから嫉妬する気持ちもわからんではないですけどね…うふふ」
「うっせーっつの!だったらこちとら『ユニアイ』以前に『バケアイ』で一世を風靡してたっつーの!パッと出のあんたよりかブルーキャットとは古い付き合いだっつーの!」
「…あらあら、あなたも相当地球の文化について詳しいようで…でありますね、ふふふ」
「ぐっ…!」
いかん、キュアコスモのことに関すると本当にあたいらしさを失ってしまう。
…それを言ったらそれこそ出会った当初から。
バケニャーンにはリズムを崩されっぱなしだ。
…ここまで来たら最後まで連中の戦いに介入して崩れたリズムに決着を付けなくてはいけないだろう。

「…あなたも。ブルーキャットのことが大好きなんですね」
「…知らん。それを確かめるためにこれからスターパレスに向かうっつーの」
「ふっふっふ、じゃあ今は指名手配や捜索願いのことは一旦置いておいて、本官と一緒にブルーキャットのところにいきましょうか」
ニコニコしながら手を向けてくる警察(今更だけど名前をアンって言ってたな)。
…こいつも、ブルーキャットに影響されて甘くなってしまった口の宇宙人だろうか。
…けどごめんな、あたいが先に手を取りたいのはまずはお前じゃないんだ。
…そもそも集団行動は元々苦手だった訳だしな。
…だから、あの猫みたいな奴に憧れているのかもしれない。

「…いーだ!お前みたいなライバルと一緒に行くか、っつーの!お前のところの宇宙船のエネルギー、ありがたく貰っとくぜー」
「ぬお!本官の宇宙船にいつの間にか変なチューブがいっぱい取り付けられているであります!」

あたいの宇宙船(元はブルーキャットのだけど)もデブリ内でエネルギーチャージしていたけど、こいつの宇宙船から拝借したエネルギーでどうやらスターパレスに行ける分までは回復出来ただろうか。
…っていうかこいつ一人で結構な重装備の宇宙船乗ってるんだな。単独行動を許されてるっぽいから本当に宇宙警察のエリートだろうか。
…だったらやっぱり戦力を考えて一緒にスターパレスに行った方が良いのか?
…いや…

「キュアコスモのピンチに駆けつけるのは!あたい一人で十分だったつーの!」
「あーーーん!抜け駆けはズルいでありますー!」

待ってろよ!バケニャーン!キュアコスモ!…いや…

「ユニ!あの時の返事!あたいが言うまで死ぬんじゃねーーーっつーの!!!」
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