プリキュア創作4

□さあやとニャトランの早口
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「うーん、一体ぜんたいどうしたもんだぜにゃ…」
「ほっまー、ニャトラン君元気ー?」
「おお、さあや姐さん!ほっまー!にゃ」

何だか珍しくニャトラン君が顎に手を当て悩んでいる素振りをみせていた。次の土曜日も!の収録のネタ出しにでも困っているのかな?今のことろあれがプリキュア本放送みたいなものなので私も協力できるところがあったら微力ながらしたいと思う。

「何か動画の題材探してるの?またチャラリート派遣する?それともお題箱とか設置してみる?」
「ああ、それ系は今のところ大丈夫にゃ。お題箱作っても特に意見とかこなそうだしにゃ」

…うむ、それは言えているのかもしれない…悲しいかな、だけどね。

「いやはや実は次の早口言葉配信にゃんだけど…」
「…ああ、そっち」

あっちもあっちで今の所ヒープリの最新動画だから貴重なのよね。

「のどかが始めたはいいけど!ひなたって絶対早口言葉苦手そうにゃ!ちゃんと出来るか心配にゃ!」

…っとのことで悩んでいたらしい。

「お願いだーさあやの姐さん!ひなたに早口言葉のレクチャーしてくれにゃー」
「…はあ、別に私も早口言葉得意って訳でもないんだけど…」

…前にララちゃんにライブのダンスの練習見てくれって言われたこともあったけど、そもそも私はもう女優じゃないから本当ならそういった舞台的なノウハウ方面は卒業しちゃってあんまりなのよね。役に立てるところがあるならするけど。
…でもまあ。

「大丈夫じゃないの?ひなたちゃん、おっちょこちょいなところはあるけど滑舌とか大丈夫でしょ」
それこそのどかちゃんがいきなりすらすら早口言葉言い出したのはシュールでなおかつのちの二人のハードルが上がるかな、っとは思ったけどちゆちゃんの配信を見るに大丈夫そうだったし。

「…いや、けど先週のちゆちゃんは途中で自分で言った親父ギャグが面白くて一瞬放送事故になりかけてたハプニングも神がかってたし…早口の難易度プラスちゆちゃんのあとというプレッシャーは結構あるかもね…」
「そにゃ!いつも三週目担当のひなたは損してばっかでかわいそうにゃ!」

…う、そう言われると自分の立場だったと思うと急に胃が痛くなってきてしまう。プリキュアじゃなくても芸能を売りにする立場だったとしたらとんでもないポジションにいると思う。キュアスタライブのひなたちゃんの位置。来週あたり順番交代してあげた方がいいんじゃないだろうか。
…ヒープリの時期にたまたま自粛期間が重なってはしまったけど、時代が違えば私達HUGもああいう活動してたかもしれないし、他人事ではないのよね。

「…ひなたってさ、ああ見えてっていうか普通の女の子っぽいところ多めだから、またいつプリキュアやめる!なんて言い出すか心配なんですよ、さあや姐さん」
「…確かに…」

ひなたちゃんが特別、っていうか近年のプリキュアの子は妙な環境出や正義感が強すぎる子が多かったけど
そもそもプリキュアはなぎささんやほのかさんみたいに普通の女の子の立場の子の方が元々多いくらいなのよね。本当なら戦いに出させる感性の子じゃない以上はちゃんとフォローをし続けなきゃいけないだろう。

「…ニャトラン君って、案外責任感強いんだね」
「…案外、って言葉はひっかかるけど、まあこれでも一応戦士にゃ。ひなたをプリキュアに誘った以上は最後まで責任は果たすにゃ」

…何となく、ハリーに似ているなって子だとは思ってたけど
…そういうところも似てるのかな。

「…よーし、ニャトラン君のその心意気に乗ったわ!不肖女優離れした私だけど発音のレッスンで知ってる限りのサポートはさせてもらうわ!」
「おお!ありがとうにゃ!さあや姐さん!何となくだけどおれっち!嫌われてるかと思ってたから安心にゃ!」
「…え、嫌われてるかと思われたの」
…そ、それはそれでショックである。ほまれには気持ちを隠したまま接していたつもりだけど、誤解されてたのはされてたで不服ではある。
「いや、だって何かおれっちみてーなかるーい奴に何か苦労させられた雰囲気出してたし、さあや姐さん」
…ほお、本当に察しのいい猫ちゃんよね、ほんと。
「…別に、誰かさんみたいにパートナーのプリキュアをたぶらかさなきゃ別に良いわよ」
…まあそういうハリーも別に、ほまれに気があった訳ではないからね。これ言うの私も辛いけど、あれはほまれ側の勘違いだったし。
…その勘違いのおかげであの子はすっごく強く成長してくれたから、私から出来ることは見守ったり辛い時に側にいてあげることしか出来なかったけど。
「にゃーん、でもやっぱりおれっちってパートナーの女の子に手を出すような奴に見えるにゃ?中学生の女の子にそんな態度取るの、普通に大人気ないとは思うにゃー」
「まあ見た目はまだ子猫ちゃんだけど、ニャトラン君はちゃんとヒーリングガーデンの戦士だからね」
それを言ったらハリーも未来の世界で好きな人もいれば熾烈な環境で生きてきた価値観を持ってて大人としてはちゃんとした方ではある。はぐたんのお世話の先生でもあるし、ほまれへの態度は誠実を通してくれたからそろそろ私も敵視するのはやめておこう…
…っていうか普通にニャトランとハリーを同一視するのも、私側の失礼だしね。彼は彼、ニャトランはニャトランでちゃんと接してあげよう。
「…今度、ニャトラン君とハリーも合わせてみたいところね…」
「おお!ハリーってあの美味しそうなネズミさんにゃ!前々からちょっとだけかじってみてーなー!って思ってたんだよ!」
「ユニちゃんみたいな目でハリーのこと見てた!ニャトラン君!」
あ!猫同士だからか!ハリーとニャトラン君っていうか、ニャトラン君とユニちゃんの方を会わせたらまずいかも!結託して一緒にハリーの狩りしちゃかも!でも単独行動の好きな猫ちゃんだから大丈夫かな!?


「ってなことでまずはおれっちが早口言葉の練習を覚えてひなたのサポートするにゃーあーごほんごほん。えー『バナニャニャの謎はまだ謎なのにゃ、バナニャニャの謎はまだ謎なのにゃ、バナニャニャの謎はまだ謎なのにゃ』…どにゃ!?」
「言えてない!」

っていうか何でわざわざバナナチョイスなの!?
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