プリキュア創作5

□プロポーズするさあほまSS直後のはぐたん
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「おかえり!ハリー!さあやママ達!元気だった?」
「おう、もう少しゆっくり挨拶しときたかったけど、立派な大人になってくれてなによりやな」

さあやママ達が26歳くらいの頃に訪れるとされていた二人目のジョージ・クライ級の特異点との対決の応援の為に私のプリキュアの力でもう一回開けたワープホール。
…本当は私も援護に行きたかったけどホールを維持するのに手一杯だったので現地に実際行って応戦してもらうのはハリーに任せることとした。
…本当は私も向こうのママ達と直接会って、あの頃小さすぎて言えなかったお礼やこれまでの積もる話を11年分しておきたかったけど…

「…さあやにほまれ、幸せになってくれてそうでワイも冥利に尽きるな。11年前の戦いは無駄やなかったんや」

…今の戦いだけじゃなくて、最初の特異点…ジョージ・クライ、クライアス社との戦いを一年通して戦った戦友達の方が、やっぱり私が介入出来ない見えない絆の繋がりがあったんだろう。
ハリー、私には見せてくれないような万感な思いに耽る顔してるもん。

ぎゅっと。

私は嫉妬だと自己分析できていても、彼の腕を自然と握ってしまった。

「…何や、はぐたん」
「…もう、この姿ではキュアトゥモローって言ってよ。プリキュアの常識でしょ?」
「…おお、せやな。つい、昔のことを思い出してしもて」
「…そもそも赤ちゃんの頃のあだ名で呼ばれる女の子、想像したことある?」
「…すまんな、いつもワイ、女子を勘違いさせてばかりやもんな…11年前もそやったけど」

今度は無意識ではなく、意識を込めて腕を握る力を強くする。

「…ほまれさんに会えて、やっぱり気持ち変わっちゃった?」
「…ほまれにはギリギリ会えんかったな、近くまできてたみたいやけど、ワープホールが閉まってしまうさかい、さあやにまた改めてお願いしてきたつもりや。ほまれのことはよろしゅうな、って。それこそ11年以来に」
「…そ、私がもうちょっとアスパワワ持続してれば、ほまれさんとハリーを会わせられたのかな」
「…っておいおい、その言い方やと…」

私はさあやママ達がクライアス社と戦っていた2018年の向こう側の世界では、タイムスリップする為に母さんの力を使いすぎて赤ちゃんの姿に戻って戦っていたらしい。
…だからほまれママとハリーに当時あったことはほとんど記憶にない。パップルさん達から人づてに聞くだけで、ハリー本人に聞いてもはぐらかす(はぐたんだけに…ってうるさいな)だけだけど

「…ほまれとのことは当時気持ちの整理をお互いしてきたつもりや。そこはもう揺らぐつもりはない、ほまれへの想いは誠実であることには変わりないって、ワイ自身もあの時空にもう一度立てて確認できた。ありがとう、トゥモロー、気持ちの整理をする機会を与えてくれて」

なでなで。

っとハリーはいつもみたいに私の頭を撫でる。
…まったく、これを意識してない女の子にしてたっていうんだから、当時のハリーってほんと、女の敵みたいなやつだったんだろうな。
…私もさあやママと、そこらへんは腰を据えてじっくりお話したかったよ。
…けど今のハリーは違うよ、さあやママ。
そう言ってもあげたかった、お互いのために。
…私のために。

今は私を見てくれるハリーの顔を見て、私も伝える。改めて整理した自分の気持ち。

「…私も安心した…その…ハリーがほまれさんと会ったらそっちに行っちゃうんじゃないかって思えて…」
「だっはは、そんなことしたらさあやに殺されてまうやろ?あいつめっちゃべっぴんさんやけど、怖そうな先生になっとったでー!あの大人しかったさあやが、立派になってくれてほまれに会えなかったけど、そこは嬉しかった。あのさあやならほまれとはなを無事に幸せにすることできるやろ、ワイとは違って」

…よろしい、今度はさあやママに嫉妬しそうにはなったけど、まあハリーがさあやママにまでそんなことする訳ないってそこは天地がひっくり返ってもないとは思えるので信頼致しましょう。

「…ワイが幸せにするのは、せいぜい一人が手一杯や」
「…うん」

…やば、顔が見えない。
この後も時空の処理とか三人目の特異点の反応を観測したり、まだまだやらなきゃいけないこと沢山あるのに…
嬉しすぎて、にやけてしまいそうだった。

「さ!ちんたらするのはこれくらいにして!次は『奴』や!おきばりやっしゃ!キュアトゥモロー!」
「ちょ!ちんたらって何よ!」

…まあここらへんの気持ちの切り替えは、戦いの先輩としては一日の長はハリーの方にあっただろう。
…そう、私たちの未来にいる『三人目』の特異点との戦いは、まだ終わっていない。
今度は直接さあやママとほまれママにちゃんと私自身で会えるように、私も私に課せられた戦いの場にいこう。
そんでおもいっきりハリーへの愚痴言い合いっこ大会を清々やったり

…向こうのお母さん。

との会話を、11年越しにちゃんとしよう。

…向こうの時空では、今ごろ『はぐみ』の方の私が、無事に生まれてくるところだろうか。

向こうのママと私の幸せ。
ほまれママとさあやママの明るい未来、今度は私に守らせてね。

「いくで、キュアトゥモロー!」
「うん!」

輝く未来を、抱きしめる為に。
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