プリキュア創作5

□さあほまデートSS(ほまれ視点)
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はな達とすこやか市温泉巡りに行く前、私達は先に到着していたのですこやかZOOという動物園を見て回っていた。

・アムールトラ

「うわー、これがアムールトラかー。大きいね、本当にルールーみたいに何でも食べそうだよ」
「これでもネコ科なんだからすごいわよね」
「そう言えばルールーも猫っぽいところあるけど、あれアムールトラをイメージしてたのかなあ。大食いなところも」
「そう考えるとほまれもネコよね」
「え、私?何で???」

・モルモット

「はあああああきゃわたん!モルモットってなんでこんなにかわいいんだろう!ある程度しつければちゃんとしてくれるみたいだし!本当に飼ってみたいよねえ!さあや!」
「はあ…かわいいんだけど…ほまれがネズミかわいいかわいいっていう図…相変わらず心がざわざわしちゃうほまね…このモルモットには罪はないんだけど…」
「…何でそんなにイライラしてるの…?」

・シマウマ

「なーんか私ってシマウマ見るとわくわくするんだよね。理由は分かんないんだけどなんでだろう…」
(ほまうま…)

・ハシビロコウ

「ハシビロコウさん!かっこいい!かわいい!あ!お辞儀してくれた!サービス精神豊かな子なんだねえ!」
「さあや、今週の日刊さあほまでハシビロコウ扱うのこれで三回目だからそろそろネタがしつこいよ」
「いやまあ筆者の趣向もあるから…」
「…考えてみたらそれに振り回されてる二年間だったね…私達」

・サンヨウムシ博物館

「あ、そう言えばさあやって昔博物館デートの時に私に気を遣ってサンヨウムシ見たかったのに我慢してくれたことあったよね。二年越しのお詫びって訳じゃないけど今日は見に行こうよ」
「…え、ほまれ。あの時私が博物館のルート変えたの…知ってたの」

…あ、さあやにはバレてなかったみたいだな。それこそ二年越しに気づけて良かっただろうか。
「うん、さあやがたまに私のこと気にしてくれたの、当時はそんなに意識してなかったけど、今にして思えばハリーに恋している間は色々気を遣ってくれたんだなあ、って後から気付いたかな。あの時はごめんね、さあやの見たいもの我慢させちゃって」
「…でもほまれは苦手なんでしょ…その…変な虫とか動物さん」
「…まあ二年たっても苦手なものは苦手だけど、はしゃいでるさあやが好きだし…それに…」
「…それに?」
私はあの時言えなかったこと、今もまだ言い切れないことを整理する。この二年間で私たちがどれだけ近づけたかは未だによく分からなくて、仲良くなったと思ったらまた勘違いすることあったり、価値観の違いでびっくりすることがあって結局そんなに変わってないところもあるだろう。
これを言ったら関係が崩れてしまいそうで怖そうだったり
まだ見せてはくれないさあやの顔を無理やりにでも見ようとは思えない
熱は伝わるけど、思いが全部は伝わらないような、そんな距離感、私も居心地が良いとは思ってしまっているけど、それでも少しずつは近づけていると思いたい。
私の理想を押し付けるんじゃなくて、さあやの理想を何となく知るために、トモダチとしての距離感を確かめる願い。
「…動物園ってほら…色んな生き物を守るためにも存在してるじゃん。絶滅しないようにとかさ」
「…うん、コロナウイルスが流行って改めて思ったけど、色んな生物の多様性を守るってことは、どの生物の成分がいきなり特効薬になるかも分からないから、ちゃんと守ってあげることでいつか役に立ってくれる可能性を守る意味もあるんだよね」
「…そう、外来種の力が強くて消えてしまったり、人との距離が近すぎて絶滅してしまったり、本来それも含めて自然なのかもしれないけど、中には多様性の可能性を守るためにも弱肉強食のルールーから外れた保護されるべき空間って、点々には必要になってくるよね、さあやも…」
「…私も?」
「大勢の人間から望まれている演技や仮面を相変わらず被っちゃうところがあったり、たまに優しすぎや正義感が強すぎて摩耗してないかなって心配になるところがある…弱肉強食のルールーに従って自分の個性を殺すのは、自然の摂理には沿っているところもあるかもしれないけど」
歩きながら話しているといつの間にかサンヨウムシの資料展示コーナーへとやってきた。たくさんの足、節足動物特有のメカ感がうげー、ってなっちゃうけど、私と違ってさあやは眼をキラキラさせてそれを見ていた。
…私と趣向が違っていても別にいいんだ、さあやはそれを押し付けることはしてこないし、自分でもちょっと変な子だなって自覚があるからこそそれを表に出さないいじらしさもある。
…ハリーに恋している間私の好きを守っていてくれたこの子のこと、今度は私が守りたいって思える。

「…私はさあやにとっての動物園みたいな存在になりたいな…」
「…え、ほまれが動物園?ほまZOO?」
「うん、ほまZOO」

…相変わらず言葉のチョイスが謎だけど…まあいいか。
…ね、サンヨーくん(だっけ)

「さあやが他の人には見せないいいところ、私は好きだって言いたいな」

私、さあやのことが好き。付き合っいくたびにもっと好きになった。

…っとまではまだ私も恥ずかしくって言えなかった。

いつか言える日がまた二年後、三年後とかに来てくれるのかな。

…願わくばだけど、もうしばらくこの時間が続きながら、いつか本音で話せるくらいの距離感になれますようにと願いながら。

「…とりあえずもうすぐはな達と合流する時間だから、そろそろ出ようか」
「…うん、温泉巡り楽しみだなー」

本当は三月くらいに予定していたみんなで巡るすこやか市の温泉ツアーに向かう為に私達は出口に向かう。二年前とは違って、さあやの好きなものに付き合える私に、今はなれたかな。

・おサルさん

「あ、ここのコーナーまだ見てなかったよね…ん、何か向こうでおサルさんとおサルさんが重なっているように見えるけど、何してるんだろうあれ…ちょっと近くまで行ってみてみようか」
「ああああああ!時間ないから!早くはな達の元へといきましょ!ほまれ!」
「え、ああ…うん…」

…さあや、また何か隠してるんだろうけど、今度は何だろう。
…相変わらずよく分からない子だけど、でも

「変じゃなかったら、さあやじゃないしね」

さーて、温泉楽しんじゃうぞー。
明日はさあやとどんなところに行こうかな。
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