プリキュア創作6

□ローラとまなつのエイプリルフール
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「エイプリルフール?嘘をついていい日?」

 人間界にきて常海まなつという子と出会ってしばらく、こちらの世界の暦の上でのイベント内容を聞かされる。

「そうそう!今日だけは嘘をついても許されるって日なんだよ!私!島では同い年の友達がいなかったから憧れだったんだよねえ!あ、でもローラは人魚だからエイプリルフールが何なのか分からないか!じゃあ今日私と初めて嘘を付き合ってみようよ!うーん!トロピカッるう〜」
 っとまなつが盛り上がっているとこ悪いんだけど。
「グランオーシャンにも似たような風習があるわね。こっちの世界で言う太陽暦の4月1日ではないけど」
「え?そうなの?グランオーシャンも人間界に近い風習があるんだね」
「・・・っていうかまだちょっと誤解があるようだから訂正するんだけど、あなたグランオーシャンが人間界を真似て作った世界かなんかだと思ってる?逆だから。グランオーシャンの方が先にあって人間界がそれを真似て作ったのよ。エイプリルフールってやつも多分うちらの風習の名残」
「えー!そうなの?どゆこと?」
 ふむ、分かってないようなのでせっかくだからこっちの世界でいう図書館ってところでご教授してやろうっての。
 私達は学校の図書室へいってそれっぽいところを探してみる。
「あ!これよ!月刊プーのバックナンバー!これが一番実際のグランオーシャンに近い史実を描いている。ちゃんとあんじゃない!人間界にもこういう本!」
「えーっと何々・・・昔々、古代の地球には実は文明が超発展した文化が築かれていたけど、大災害があってみんな海の下に沈んでしまった。一部の生物が生き残って都市を海底に生成したのが、アトランティスティラミスっという海底都市」
「実際はアトランティスティラミスじゃなくてグランオーシャンだけどね。こっちの世界はなんやかんや地上で生き残った人間達がかつての文明をなんとか再現して作ったものなのよ。まあ、まねっこにしてみれば結構頑張って再現した方じゃない?本物のグランオーシャンほど文明は発展してないのはこの町を観察して段々分かってきたんだけどね」
 ってかくいう私もそこまで長生きしてる訳じゃないからグランオーシャンが海底に引っ越してきた頃のことは知らないんだけどね。それにしてもこれで解けたかしら?誤解。
「人間界はグランオーシャンの下位互換なのよ。自分たちが一番発展した文明を築いてるって思わないことね。あとまわしの魔女達もそれっぽい超文明の利器、たまに使ってくるでしょ?」
 ま、私は優しい女王を目指してるから?これくらいのことじゃ怒らないんだけどねー。おーーーーーほっほっほ。
「へえ、ローラ」
 パタン、っと月刊プーを閉じてまなつはキラキラした目でこちらを見る。
「嘘!得意なんだね!」
「・・・へ」
「いやー、私もすっかりだまされそうだったよー。でもうれしい。嘘をついてくれるってことはそれくらいもう仲のいい友達になれたってことなんだよね!」
 ・・・いや、ちょ。
「今のはエイプリルフールの嘘とかじゃないから!本当のこと!人間界はグランオーシャンより劣った井の中の蛙大海を知らずの文明なのよ!私達の方が偉い!!!」
「いや、まあグランオーシャンは確かに大海ではあるけど・・・でもこの本・・・」
 まなつはあらためて図書室の中で月刊プーの置かれているコーナーを確かめる。
「オカルトのコーナーだもんね。ほんとのことじゃないでしょ?」
「違う!違う!あのね!まなつ!こーいう本当の歴史ってのは闇に葬られる訳なのよ!人間界が実はグランオーシャンより劣った文明だってことがばれると不利益な人間もいるからあえて隠されているの!ほら!違うコーナーのそうこれ!読者投稿ページ見てみて!このPNキュアプリキュアさんの宇宙人や海底人は実はいるけど優しい人間達によって秘匿されているって記事!これ!これが一番真実に近いから!」
「はいはい・・・ってこのキュアプリキュアさん、何か文章の雰囲気どっかで見た気がするんだけど、誰だっけ」
「話をきけーーーー!」
 う、まずい。エイプリルフールだからって私が適当なこと言ってるのね、くっそー。何かむかついてきた!
「あのね、まなつ。ちょっと真剣な話していい?」
「うん、何?ローラ」
「私はね、エイプリルフールみたいな冗談で嘘を言って良いって風習自体はいいと思ってるのよ。でも基本的には嘘は嫌い。何か対等じゃないって思っちゃうから」
「ほうほう」
 ・・・まあこれはグランオーシャンでのエイプリルフールのイベントでも薄々思ってたことなんだけど。
「私はね、冗談ではないこともエイプリルフールだからって嘘つき扱いされるのはすっごい嫌い。こっちは真剣にやってるのに、何か馬鹿にされた気がする・・・って冗談を言っていい日にこんなマジレスする私も水中読めないやつみたいだけど」
「・・・水中読めないやつ・・・?空気読めないみたいな」
「そう、それ」
「あとマジレスって単語もあるんだ、グランオーシャン。やっぱりすごい文明なんだね・・・よし」
 パタン、っとプーを閉じてまなつはマーメイドアクアポットを通して私の目を見てくれる。
「私!ローラとキュアプリキュアさんの言うこと信じてみるよ!きっといい人達が宇宙人やグランオーシャンの人達のこと、本当は黙ってくれてるんだよね!」
「うんうん、何だかキュアプリキュアさんに助けられてるみたいで釈然とはしないけど」
 ・・・まあ今はそれでいいってことにしてあげましょう。
 ・・・にしてもこのPNキュアプリキュアさん、グランオーシャンもそうだけど宇宙人のことは何で知ってるのかしら・・・

 ピコーン、ピコーン。

 っとマーメイドアクアポッドが反応をしてる。

「む!この反応は!近くにヤラネーダが出たみたい!またみんなのやる気が奪われてるわ!早く助けないと!」
「オーライ!ローラ!またキュアサマーに変身してみんなを助ける!」
 って戦闘準備をしてくれたのはうれしいんだけど。
「・・・こっちも嘘だと疑わないのね」
「当たり前だよ!ローラは誰かを助ける時は!真剣だもんね!」
「・・・そ」
 まあグランオーシャンでもそうだったけど、やっぱり私は嘘をついていいって日はなんとなく苦手である。
 ・・・やっぱり、本音で話してるのが一番よね。
「あと権力と自分に正直なとこ!かわいい!」
「うっさいわね!でもかわいいって言ってくれてありがと!さあ!早く行くわよ!」
「うん!」
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