プリキュア創作7

□トロピカる部次期部長
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「いやー、選挙残念だったな、ローラ」
「ぐぬぬー、次は絶対勝つんだからー!」
 …ってもう来年の話か。ほんと負けず嫌いだな、ローラは。
 でも今回の選挙でみんなに選ばれるリーダーの資質みたいなのが分かれてローラからしてみれば負けるのはそりゃ嫌だろうけど勉強になったんじゃないかな。無理な公約を掲げたり他人と比べるようなことをするよりも、自分のやりたいことを素直にみんなに伝えて、信頼して貰えるような努力を重ねること。
 …私も百合子に負けたのは悔しいけど、今回ばかりは立候補した子を素直にサポートしてあげて支えていたし、後輩を育てるのに見事成功した、って結果だったな。
 …さすが、テニス部を辞めてまで生徒会に入っただけはあったよ、中途半端にしてない。元ダブルスのパートナーであった私としては感無量だったな。言葉には出さないけど生徒会長の勤め、お疲れ様、百合子。
「ま!ローラは一年生だし、今回の失敗でちゃんと悔しいって糧にすることができれば来年は生徒会長になれるよ。負けたことも勉強にするのがいい指導者だ。私はそれが見れないのは残念ではあるかな」
「あれ、あすかは来年この学校にいないの?死ぬの?」
「…死なないよ。三年生だから卒業すんだよ」
「え…卒業したらどうなるの…無職…」
「進学すんだよ…これでも受験生だし…」
 っていうかローラにそこらへんのこと説明してないんかな、まなつ。まあローラも地頭はいいみたいだからそこらへん説明すれば分かると思うが。
「人間には段階を分けて学校を自分のやりたいことに合わせて変えていくんだよ。そうやって進路を設計していくのも人の生き方だ」
「えー、じゃあトロピカる部の部長はどうするのよー」
 …そうだな、百合子が生徒会長を引退したみたいに、夏の大会で他のクラスメイト達も続々と部活を引退して受験勉強に専念している中、私もずっとここで部長をしている訳にもいかないだろう。百合子がちゃんと後輩を育てたみたいに私もちゃんと引き継ぎをしないとな。それもまた人生だ。
「トロピカる部が今後も続いていくとしたら、ちゃんと次の部長も決めないとな…」
「はいはい!私立候補します!部長になりたい!っていうか女王になりたい!ちやほやされたい!」
「選挙での反省活かしてる?ローラ君???」
 いやでもまあ本人のやる気も大切だしな、こーいうの。ってか私も本気で次の部長を考えるなら指名制か選挙制かちゃんと考えておかないとな。
「…いきなり選挙のリベンジが来たな。次のトロピカる部の部長候補か」
 今のところ部員は私を含めて五人。立候補した者が自分に投票できないと考えると多数決なら二人の指示を得た時点でほぼ部長になっちゃうから一票の重みがめちゃめちゃあるからどの道私の選択がかなり重要になってくるだろう。
 あとで桜川先生にも相談しようと思うけど、やっぱり部長にとって大切なのって…
「みんなを引っ張っていく力があるのがいいな」
「その点だとやっぱり私よね。ふふん」
「いや、まなつも捨てがたい…けど地域の行事とかにも参加するし、部活の長として大人とちゃんとやりとりできる常識も身についてないといけないんだよな。外面やマナーの良さは意外とちゃんと教養のあるローラは確かに部長向きかもしれない…」
「何よ!意外って!これでもちゃんとグランオーシャンの姫様から教育受けてたんだからね!」
 まあ年功序列でみのり、意外性でさんごを部長にするのも悪くはないんだろうけど。
「…そうだな、あと私がローラを評価しているのはほら、まなつのプレミアムマンゴーメロンパン、間違って食べちゃった時あるだろ」
「う…あの時は悪かったわね…」
「でもそのあとちゃんと『ごめん』って謝れたじゃん。私はちゃんと反省できる奴が好きだ。あとは体験入部で水泳部に入った時本当に溺れている時は『助けてー!』って叫んでただろ、ローラ」
「う…それも思い出したくない記憶…」
「でも本当に辛いときはプライドとか捨てて誰かに協力を仰ぐのも大切なことだ。つまり私が言いたいことはな、ローラ」

 今回の生徒会の選挙では負けたかもしれないけど
 この悔しい負けがあったからこそ、ローラ成長したな

「って思える奴に変わってくれたら、ローラは部長になるべきだなって思うよ」
「そ、そうなの…」
 まあまだ急いで決めなくてもいいだろう。私も別に受験を急いでる訳でもないし、部長が負担になってる訳でもない。
 単にローラの成長を見てみたい、って意味で。
「私が卒業したあとでも、楽しそうにしてる部活を作ってくれるやつを部長に選びたいかな」
「うう…あすかの分までちゃんと部長やるからね…安心して死んでいってね…」
「だから死なん」
 やっぱこいつ部長選ぶのやめようかな。
 …まあいいや。
「これからのローラも楽しみにしてるからな」
「まっかせなさい!私を誰だと思ってるのよ!おーっほっほ!」
「よく失敗するローラ」
「ぎゃふん!」
 …ま、もうちょっとだけこの部活の部長としてみんなを見守っていこう。
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