プリキュア創作8

□ゆいとここね
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「わーい、ここねちゃんと仲良くなれたー!これからもよろしくねー!」
「・・・うん・・・っていうかこれまで迷惑かけてごめんなさい」
「あー、また謝ったー」
 でもこの気にしすぎがここねちゃんのいいところかもしれないね。私って逆に気にしすぎないところあるからここねちゃんのこの心配りは尊敬しちゃうな。
「・・・そうね、友達になったんだから、もう気軽に謝るのは失礼よね。マリちゃんとにもこれから対等に話していかないと」
「あー、マリちゃん気にしてたよー。何かここねちゃんに失礼なことしたんじゃないかって」
「・・・そうね、私の気にしすぎが相手を傷つけることになるかもしれないから・・・はあ、最初はゆいとマリちゃんの間にもう既に邪魔しちゃいけないやりとりがあるかもしれないからって遠慮してたわね」
「・・・私とマリちゃんの間のやりとり?」
「ええ、プリキュアとしてもそうだけど、二人は最初に出会ってもう絆みたいなものがあるから、私が入ったことでそのバランスが崩れるんじゃないかって心配だったのよね。悪い雰囲気になったらすぐにでも離れるつもりだったけど」
「でも私もマリちゃんも出会ってまだ間もないから、そんなに気にすることないと思うんだけどなー」
 確かに何かマリちゃんとは既に何ヶ月も一緒にいる気がするけど、いざ振り返ってみたらまだ一ヶ月ちょいくらいしか一緒にいないんだよね。
「もう既に友達でいる人達に、新しくお友達になりにいく・・・か・・・」
「あ・・・あの・・・やっぱり私、考え過ぎだったかな?」
 ・・・いや・・・
「・・・私、生まれてきてここまでそんなこと考えたことなかった・・・小学校のクラスとかで・・・私が入ったことで仲が悪くなっちゃったお友達とかいたのかな・・・」
「ゆ!ゆいは大丈夫だから!ごめんなさい!私が友達付き合い下手なだけだから!ゆいはすっごく優しいし、思いやりもあるからそんな気持ちにさせたこと一回もないと思うよ!お母さんも優しいし!それがしっかり受け継がれているから!」
「あ、また謝った・・・」
「あ・・・ごめんなさい・・・ってこれもまた謝っている」
 ・・・でも今まで考えもしなかったよね、その考え方。
「ここねちゃんは優しいよね」
「・・・え」
「だってそこまで人の気持ちを考えていざとなったら自分が引いて周りの人間関係を大切にしてあげようとしてるじゃない。それはここねちゃんが本当に相手のことを思っているからだよ」
「・・・そんなこと・・・そんなことない」

 本当は仲良くなりたいんだけど
 それが出来ない自分が嫌いなだけなの
 だからせめて、少しでも自分で自分を救う為に
 友達ができないことの良い訳を、今の自分を美化するこじつけが欲しいだけだったのかもしれない。

 そう、絞り出すようにここねちゃんは呟く。

「すげー!色々考えているーーーーー!」
「すごくない!全然すごくないから!」
「やっぱり私、これからここねちゃんとお友達になるの、楽しみだな」
「・・・本当?」
「うん!だって私と全然違う考え方してるし、お話してるとおもしろいしー」
「・・・でもまた、今日みたいに迷惑かけてしまうかもしれないし」
「迷惑じゃないよ!それに失敗のことをまだ気にしているのなら、大丈夫だよ!言ったでしょ?失敗はすいとんの素だって」
「失敗は成功の元、何だけどね・・・」
「ああそうだった。でもそんな風に私も間違う時もあるから、そんな時は私とは違うここねちゃんがフォローしてほしいな」
「・・・ゆい」
「どっちみち私一人じゃプリキュアとしてまたピンチになっちゃうかもしれないしねー。今日のあの技すごかったじゃん!スパイシーサンドで敵を挟んでからの私の500キロカロリーパンチ!」
「・・・ええ、私とゆいの技、相性良かったかもしれないわね」
 どのみちこの間も私の向こう見ずでマリちゃんに迷惑かけてしまったし、支え合う仲間がいると私も安心だ。
「私は完璧じゃないよ。きっとむしろこれから迷惑かけちゃうのは私の方かもしれないけど・・・」
「・・・ううん、そんなことない。ゆいが仮に失敗しそうになったとしても、今度は私がサポートするから。今日そうしてもらったように」
「そうそう、友達ってそういうものだから」
「・・・友達はそういうもの・・・うん、そうだね」
 私もよく分かってないところがあるけど、これからここねちゃんと一緒に学んでいけばいいんだ。
「よろしくね!ここねちゃん!」
「・・・ええ、ゆい」
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