プリキュア創作8

□星奈ひかる誕生日SS:2022
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「あまね〜またトレーニング施設借りるね〜」

 っと合宿も終わったばかりだというのにひなは私の家に訪れてトレーニングをし始めに来ました。やれやれ、結局ひなとはいつも一緒にいることになりますね。
 ただ今日はちょっと集中力が欠けているというか、何だかそわそわしながら周りを気にしているようですね。

「父さんを探しているのですか?ひな、父さんのこと好きですもんね」
「ち、違うし・・・その・・・あまねのお父さんは確かにプロのスポーツ選手でトレーニングについて色々教わることはあるけど・・・その、好きって言うか・・・?」
「リスペクトですね」
「そうリスペクト!っていうかあまねも気軽に自分の父親を友達に好きとか聞かないでよね」
「何故ですか?」
「・・・何故・・・何故っていうか・・・常識的に考えて」
「あっはっは、私も父さんも嫌いな台詞ですね、それ」
「う・・・」

 っとひなをいじめるのはこれくらいにしましょうか。また合宿の時みたいに険悪なムードになっても嫌ですからね。

「・・・あまねは合宿を終えて・・・変わったよね」
「・・・?そうですか?そういうひなも」
「私も変わった?」
「いえ・・・」

 確かに協調性を得たり、更に高見を目指す姿勢は強化されたのですけど、それはそれで合宿の成果であり今は・・・

「じゃあ何で今日はそわそわしているのですか?あなたらしくない」

 秘するが花、が座右の銘の私ですけどそろそろ直接聞いてしまいましょう。言うべき時はちゃんと聞く、も私があの合宿で学んだことです。

「その・・・あまねのお父さんはぶっちゃけいつでも会おうと思えば会えるからそんなにレア感ないからいいんだけど」
「それ、父さんに直接言わないで下さいね。多分ショックで寝込むと思うんで。彼プライド高いですから」
「そ、それは私も分かってるっつーの、でもそのこだわりが高いところもあまねのお父さんのいいところじゃーん」
 はて、では一体彼女は何を待っているのでしょうか。このトレーニング施設は外部のお客様にも開放しているのでたまに著名人が身分を隠して訪れる時もある。ひなが会おうとしているそのレアな人というのは、私の父以外の有名人ということでしょうか。
 ・・・彼も本来ならかなりの有名人のはずなんですけどね。
「・・・確か彼女のルーティーンなら今日もここにトレーニングにくるはず・・・それともさすがに誕生日くらいは来ないのかな・・・いやでも、ストイックな彼女ならきっと今日も変わらずここに来るはず・・・」
「彼女・・・誕生日」
 段々絞れてきましたね。ひながこのトレーニング施設で待っているのは、女性で今日が誕生日で、そして私の父に匹敵する程の有名人。そもそもこの施設を秘密に使っているということは父さんの知り合いである可能性が高いですね。私も会ったことある人物でしょうしそろそろ予想がつくでしょうか。
 ・・・輝木ほまれ選手?確かにひなが憧れそうな方ではありますけど、彼女の誕生日は確か先日の金曜日だったはず・・・では・・・

「あ!!!やっぱり来た!早く誕生日プレゼント渡さないと!!!」
「・・・彼女は」

 っと正解の人物がひなの予想通り来たみたいですね。
 ・・・なるほど、彼女ですか。ひなが憧れるのは納得できる人物だった。
 そうか、今日は彼女の誕生日でもあるんですね。

「星奈ひかるさん!!!誕生日おめでとです!!!これ受け取って下さいっす!」
「わ〜ひなちゃん!お久しぶり〜、出待ちしてくれたの〜?あ、いや、私は今からトレーニングするから正確には出待ちじゃなくて入り待ち?」
「わー!星奈さんのトレーニング邪魔しちゃってすみませんでした!私もトレーニングしながら終わった時に渡しますね」
「あっはっは、私の今日のトレーニングは長いよ〜、ついて来れるかな〜?」
「行きます!星奈さんは私の憧れっすから!」
「・・・ふふ」

 星奈ひかる。日本人初の女性の宇宙飛行士でその身体能力の高さは海外にも引けを取らないすごい人物のようですね。
 ・・・聞くところによると彼女もまた、過去マナマナの様な不思議な力で大冒険していたみたいですし、ひなが憧れるのも納得ですね。
「・・・っていうか星奈さん、本来なら私みたいなファンを避ける為にあまねのお父さんのトレーニング施設を借りてこっそり特訓していたのに・・・私が邪魔しちゃってすみません」
「あわわ〜、いいよ?そりゃ誕生日お祝いしてくれるのは嬉しいから」
「・・・でも、本当は会いたい友達がいるから誕生日も返上するくらい訓練しているんですよね・・・マジで尊敬するっす」
「・・・うん」
 ・・・秘すれば花。
 私もまた星奈さんのあの明るさの裏に並々ならぬ覚悟を隠している生き様は参考して生きているんですよね。
 一つの目標に向かって突き進む、その姿はプリマジスタとは道は違えどああありたいと思える人物です。
 私がプリミエエトワールを追うように、ひながジェニファーを追うように
 友人に会いに行くために人生を賭ける彼女のマジは、私達の目標です。
 ・・・よし。

「そのトレーニング、私も付き合いましょう」
「おおー、あまねちゃんも参加するんだねえ〜」
「あまね、あんたついてこられるの?私達に」
「ふふ、私もあなた達を見ていたら火がついてしまいました」
「・・・やっぱりアンリ君の娘さんだよね〜キラやば〜」
 ・・・それに私も。

「星奈さんの誕生日をお祝いしたいですからね、ひなと同じ立場で」

 私もマジ、ですからね。
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