プリキュア創作8
□らんとあまね
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半額クーポンを配って客を呼び寄せてより多くのレシピッピを集めるという作戦はとりあえず成功はしたが、予想外の出来事として客足だけではなくまさかプリキュアまで増やしてしまうとはな…しかもまさかあのパンダ軒の娘でもありまたこの学校の生徒。
キュアプレシャス
キュアスパイシー
そしてキュアヤムヤム。
…前向きに考えるならこちらから一方的に敵の情報を仕入れているというアドバンテージはあるにはあるのだ。今後はこれを活かした戦術プランを練っていって…
「あー、いたいたー。おーい、かいちょー」
「は!はいっ!!!」
っと考え事をしていたら急に声をかけられてしまいつい素になってしまう。いかんいかん、こちらからボロを出してどうする。
「な、何だね、君は…」
「華満らんでーす!その節はお世話になりました」
「ああ、君か…」
ふふ、ちょうど君のことを考えていたら出会ってしまうだなんて、何だかロマンチックだな。しかし私はシビアだぞ。せっかくだから君からプリキュアの情報を色々聞き出してしまおうか。
「会長からの半額クーポンのアイディア!すごい反響良かったですよ!もう商売繁盛ですよ!」
「ふふ、これでも私は飲食店コンサルタントの勉強もしているんだよ。将来のためにね」
「おー、何だかよく分かんないカタカナだけどすごそー!」
…そんでもって君はちょっと頭が緩そうだな。何だかポロっとプリキュアのことを呟いてくれないかな。
…呟き…そうだ。
「それで次の企画も持ってきたのだが、君はSNSをやっているか?」
「あ、はい。やってますよ。キュアスタ」
「今度はそのキュアスタと連携してみてはいかがかな?写真を投稿して宣伝をしてくれた人には更にクーポン券を配って、広告費を一般の方に任せて節約しようというプランだ」
そしてその広がったSNSの輪で更にレシピッピが集まりそうな飲食店をサーチしやすくなる。くくく、我ながら良いアイディアだな。本当に飲食コンサルタントになれちゃったりしたりしてな。
…ま、私の場合は店を継ぐことになると思うが…
「ああ、今後キュアスタの活動はちょっと控えることにしたんですよ」
「何!?」
え!何で!毎回更新楽しみにしてたのに!寂しい!じゃなくって君の投稿は結構参考にしていたのだよ。
「いやー、何だか私の投稿、変な人達に見られているみたいで…ほら、最近お店の味が変わっちゃう事件があるみたいじゃないですか。あれ、私の投稿したお店ばかり狙われているみたいなんですよね。私自身も何回もあの味変事件に巻き込まれているし…何だったら疑われていたくらいですよ」
「う…そ、そうなのか…」
まずい、露骨にやりすぎて警戒されているのか…もうちょっと分散しておいた方が良かったかな。
「だから友達と相談してしばらくは投稿を控えてみようって思うんですよ。そもそも他のお店の投稿ならともかく、自分の家の写真とかもネットに載せちゃうのは普通に危ないですからね。これは私の危機管理能力が甘かったです。何か危なそうなアカウントはとりあえずブロックするようにしてみました」
「そ…そうだな、SNSは危険だから辞めておいた方がいいかもな…」
ってそんなこと言ってどうする!私!いや、生徒会長としては正しいことを言っているのかもしれないけど!わ、私のブロックされてるかな…あとで確認しておこう。
「…で、でも辞めることはないんじゃないかな…また別のアカウントを作って…そうだな家族と相談してパンダ軒の公式アカウントとかを作ってみればいいじゃないか。そうしたらSNS連動キャンペーンをやりやすい」
「あれ、会長。私の家がパンダ軒って知ってましたっけ」
「ぎ、ぎくう!」
まずい!どっちかっていうとプリキュアじゃなくて自分がボロを出し始めているぞ!
「も、もちろんだ。私は新鮮中学の生徒会長だぞ。飲食店を営んでいる生徒の情報はある程度は管理してこの間みたいに飲食コンサルタントの勉強も兼ねてアドバイスしているんだよ」
「そっかー、私はてっきりレシピッピの見える者同士で仲良くなったとばかり思ってましたよー」
「そうレシピッピレシピッピ…って」
…もしかしてこれも不味くないか?レシピッピが見える人間は限られている。それを自分から言ってしまうのはこれはブンドル団と関係のある人間と疑われても仕方がない。
は、華満らん…君はもしかしてむしろ私のボロを出そうと攻めてきたというのか!?この娘…油断ならないぞ…!
「…あれ?でも何で会長もレシピッピ知って…」
「あー―――――!そうだ!他のクーポン券を作ってみてはどうだね?少しベタだがリピーターを増やすためにスタンプカードとかも作ってみたらどうだろう?紙では忘れてしまうというお客さんのためにアプリを導入するのも手だぞ!」
まずいまずいまずい!何とか誤魔化さないと!私のリアル割れの方がまずい!話を逸らそう!
「ああ、えっと。クーポンももういいですかね。そもそもスタンプカードは元々やってますし」
「そ、そうなのか」
「アプリとかじゃないですけどね。それに宣伝ならもっと大きい効果が狙えるのがやれたのでしばらくはそれを話題性にして宣伝できますね」
「ほう…それは…」
それは単に気になることだった。私のプラン以外に何かいいのがあるなら純粋に知ってみたかった。
「例の味変の事件、私の家でも起きちゃったんですけど」
「うん」
「あれ?何かリアクション薄くないですか?ここもうちょっとびっくりしてほしかったんですけど」
「ああ、すまない…一応この街を守るために私もそれは把握しているんだよ」
「へー、そうなんですか。生徒会長ともなるとそこまでチェックしてるんですね」
…ってことにしておこう。
「私の家、でもそれを乗り越えて味を元に戻すことができたんですよね。今はその復活劇で話題になっているんですよ」
「…そ、そうか…って」
それって結局、私達の活動で飲食店を繁盛させていることに繋がらないか?いや、繁盛してくれた分レシピボンが増えてくれるからこちらとしてもウィンウィンではあるが…
「転んでもただでは起きない。そういうたくましさが商売には必要なのかもしれないな」
「はい!ブンドル団は許せませんけど!私達は負けませんよー!」
…華満らん、君がプリキュアになれたのは何となく納得できるかな。
君は強い、私も負けないようにしないとな。
和実ゆい
芙羽ここね
君たちにも彼女のような強さを秘めているといのだろうか。引き続き調査が必要だな。
「まあせいぜい頑張ってくれたまえ、では」
「あれ?会長?私ついブンドル団って言っちゃいましたけど、もしかしてそれも知ってます?」
「あああああ!あれだろ!ブンドル団!あのポケモンに出てくる!」
「それはロケット団。会長もポケモンやるんですね…」
華満らん…やはりこいつとの会話は危険すぎる…主に私がポロポロ変なことを言いそうになってしまう。