小説

□ホワイトデーSS:6
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 …どうも、鬼俵チヨキチです。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
 元々こちらの『ホワイト―デーSS』という企画も始めさせて頂き早いことでもう『6』となります。
 グダグダに長く続いちゃってますね。いや、僕達の作中の時空ではそんなに経っていないことになっているんですけど、何だか精神的には結構な時間を過ごしている気がします。
 そもそも題名からして『ホワイトデー』を題材に始まった作品なわけですけども、最近はそんなこと滅法忘れて自由にやっちゃってます。
 自由ならまだしも、近年では何だか健康のことを話題にしていることが多くなってきているんではないでしょうか?
 ジジ臭くなってやーねー、って感じですね。いや、一応僕達二十一歳って設定なんでまだそんなこと言っている場合ではないんですけども。
 けどルルちゃんって年の割に精神が成熟し過ぎているのでやっぱり頭でっかちな話に進んじゃいますよ。成熟?っていうか身を守るためにいち早くデビューしなくてはいけなかった彼女にとってはしょうがないことかもしれませんが。
 そんな彼女が二十一歳の女性らしくちゃんと青春を謳歌できるかな?しっかり当初の目的らしく『ホワイトデー』らしく恋愛話に軌道修正できるかどうかは、まあやっぱり僕がちゃんとするしかないんですけどね。
 この作品を甘い方向へと持っていくのは僕の努力次第!逆に言うなら僕が不甲斐ないばっかりに作品の方向性がよく分からなくなっている訳ですからね。『6』ですけど『1』からやり直す気持ちで取り組んでいきたいと思います。
 …まああんまり最初から気張ってしまってはそれこそ失敗フラグになってしまうから、そこんところは独りよがりでがんばりすぎないようにしていきたいと思うんですけど。何だったらそここそホワイトデー関連の続きの流れで『2』の頃から忘れがちだった伊舞鬼先生をお呼びしちゃってもいいかな?って感じではあります。彼女登場しちゃうとどちらかというと百合展開になってしまうかもですけど。
 まあ冒頭で言う分にはタダですからね。
思ったことを言葉にしなければ、それは口に出していないのと同じだから。
 …いや、自分で言っておいてなんだけど深くともなんともない台詞だな、これ。
 ってな訳で今回で六回目となるホワイトデーSSですけど今年はさてはてどうなることやら。
 一応抱負的なことも言ってみたことだし、この健康ブームの流れから少しは軌道修正していきたいところですね。

 ガチャコーーーン。
「よしゃあああストラーイク!」

 っとおもむろにガッツポーズを取るルルちゃん。こう言ってはなんだけど健康的な笑顔も素敵である。
「さ、次はチヨの番よ」
「はいはい」
 っと言いつつも渋々僕も一投する。
「えい」
 ひょろろろ〜、ガコン。
 っと情けない挙動でガータに落ちる僕の球。
「だーから言っているじゃない、チヨ。あなた腕だけの力で投げようとしてるでしょ。違うのよねー、ボーリングっていうのは全身のバネを遠心力という円の力に還元するスポーツなんだから大切なのはどこか一点に力が集中しないで全身まんべんなく使うバランス感覚なのよ?OK?初心者が大切にすべきはまずは真っ直ぐ投げようと意識することじゃなく無理のないフォームを定着させることよ。身体の歪みがとれることはすなわちボールを思い通りに投げることに繋がる第一歩なの。さ、私がまた手本見せてあげるから目の穴かっぽじってよく見てなさい、いくわよー」
「…あの、ルルちゃん、一ついい?」
「何、コーチに質問?いい傾向ね」
「いや、コーチじゃねえよ」
 あんたも今日始めたばっかでしょ。
「…僕達今何やっているの?」
「は?見て分かんないの?」
 いや分かるけども。悲しい程に字面通りのことしかしてないけども。
「ボーリングをやってます」
 しゃきーん、っと決めポーズを取るルルちゃん。デスクワークしている割には健康そうな体してんだよな、この子。かわいい。
「さあ気合い入れるわよ!チヨ!がんばれがんばれ出来る出来るやれる気持ちの問題だどうしてそこで諦めるんだがんばれがんばれ、私だって頑張ってんだから!」
 …けど一度スイッチ入っちゃうと熱血コーチみたいになっちゃうのがそれこそ玉に傷なんだけど。
 ってなことでホワイトデーSS第六回、ボーリング編、はっじまるよー。
 …軌道修正できんのか、これ。

ホワイトデーSS:6
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