小説

□ホワイトデーSS:7
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 ボーリング場の件からしばらくして、僕は伊舞鬼先生の臨時のアシスタントとしてしばらくお世話になることになった。
「チヨキチさん、ここ六番のトーンでお願いします」
「はい」
「あとそこ削り処理あるんですけど任せてもいいでしょうか?」
「大丈夫ですよ」
「あ、ここの背景の資料、別のやつありましたっけ?」
「あーえーっとABCってある中でAって持ってきちゃいましたけど、別のでしたか。すみません、事前に聞くべきでしたね」
「いえまあ言ってなかった私も悪いですし」
「あとここの台詞なんですけどフォント指示が入ってないってことはデフォルト設定でいいってことでしたっけ?」
「ああ、そこの指示も忘れてましたね。すみません、私のミスです。あとで付け加えておくんで修正原稿の棚に入れて置いて下さい」
「えーそれとそれと」
「はい」
「七時間ぶっ続けで作業してるんで、そろそろお腹空きませんか?僕何か作りましょうか?」
「ああ、もうそんな時間なんですね。良いでしょう、一緒に休憩しましょうか、チヨキチさん」
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