小説

□ホワイトデーSS:9
1ページ/7ページ

「まあせっかくだし何かおごらせておくれよ、チヨキチ君。コミケをエンジョイしているところを邪魔したことには変わりないんだしな。ケバブ何かどうだい?かくいう私も食べたことがないんだよねえ。だいたいいつも差し入れで食べ物いーっぱいもらってしまうからね。あっはっは!巷じゃコミケの守護神みたいな扱いされているけどこうして食べ物中心に男子と練り歩くのは初めてかなー!リア充おつ!なんちって!」
「…はあ」
どこから説明していいものやらとこの方も第一声に困るんだろうなと優しい気持ちで身構えてはいたけど、結局マシンガントークを続けながら僕達は会場の外で開かれている出店のようなことろで遅すぎる昼食を探すことにした。おお、こんな風にご飯も売ってるんだ、お祭りみたいだ。
…本当ならルルちゃんか伊舞鬼先生と一緒にあわよくばこんな風にコミケデートしている展開もあったかもなかったかもしれないけど(どちらもコミケでは軍曹キャラなのでそんなの僕の甘い妄想で終わるとは思う)
結局今出店を練り歩いていたのはそんなヒロインズとはこれまたかけ離れた…いや、かけ離れているって女性に言うのは重々承知している。さすがの僕もそこまで女性慣れしてないとは思っていたい。なんやかんやこのシリーズで色んな鬼達と会話劇をしてきて、えーっと?今回で何シリーズ目だっけか?
 …9?…9!?
えーっと、このホワイトデーSS。何と今回で大台をまじかにした9回目である。っていうか本編からリアルタイムで10年経とうとしているそんなアニバーサリーな中。
 何の因果か、僕はルルちゃんが漫画家を目指すにあたってきっかけとなった巨匠。ここ十年何年かこの国に国民的な作品を世に送り続けている偉大な作家である…
「チヨキチ君は何食べるー?」
 薬師丸斗鬼先生とコミケでケバブデートしていた。いやっていうかもうホワイトデー全然関係ない食べ物だよね!?

 ホワイトデーSS:9
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ