小説

□コイの両翼
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主人から何の命令を下されない。無言。
そんな時の召還獣の役は
『何より早く主に降りかかる災いを取り除く事』一つにある。
 過去この「無言」の呼び出しの際、
巨大な羽で宙を舞う事の出来る私は混戦の最中へと呼び出される事が常であった。
 「無言」とは「命を下す間より速く我を守れ」という暗黙の言の葉、
その「無言」を承れる事が羽を持つ召還獣として身と命を頂いた私達にとって最高に力を発揮できる「誇り」なのだ。
…が、今日、私はその「無言」を承り、困惑してしまった         

 コイの両翼
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