小説

□うっかりニック
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拙者は幼き頃から器用な子であった。才があったのだ。
勉強、スポーツでも常にNО1で自然に付いた通称、神童ニック。
でもそんな拙者にもどうしても苦手な教科、二ポーン語がこの世にあった。
二ポーン語は難しい。
いくら勉強しても何言っているのかワカラナイと言われるのもシバシバ。
けど拙者にはNО1のプライドがあった。今、二ポーンへホームステイしに来ている理由はそれだ。
およそ一ヶ月間、二ポーンでの高校生活で確実に二ポーン語をマスターして自国へ帰ってみせる。
二ポーンに留まる理由はそれ一つのはず、だったのだが・・・今ではもう一つ理由が追加されていた。
そう、あの男に勝つにアリ、だ。
オ、ちょうど例の奴が登校しにこの道を走行中の模様だ。けっ、呑気にあくびなどしよって。
「ふぁあ〜さすがに七時からの朝練ってきっちーよなー。
オレが部長になったらせめて三十分後にしてやるよ、三十分後によ・・・」
「うおおお湊ォ、ワタクシと尋常にショーブしろいっておやぁぁあ!」
「うお!?ニック?今日は電話BОXからの登場かよ。お前な、いい加減日本での常識ってもんを・・・」
「ええィぐだぐだと理屈ぬかすなこのアホッパゲ。
いいか今日こそ勝つのは拙者だからな。さぁ、学校に着くまでダイブトライヤガルだ。行くぞ愛機ガッピー、ぶるんぶる〜ん」
「や、それを言うならタイムトライヤルだから。早く日本語覚えろニック」

うっかりニック 
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