コラム部屋

□アニポケ感想
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私がよく利用させてもらってる「鬼の資料」には、こう鬼を説明されている。(ほとんど個人的解釈)

「昔の人々は異様のもの全てを鬼に例えた。無法者の略奪者の存在を鬼にしたり、凶暴な動物、海外からの異邦人。たとえそれが人外の存在であれ、異様であれば鬼として見られていた。災害や神だったり、恐れ、畏れ、人知の及ばない強大な力。鬼という空想動物の素晴らしさはなんでもありという概念の広さかもしれない。時には悪事を働く存在であり、あるときは信仰すべく対象だったり、またある時は人そのものだったり。世界広しといえど空想の許容範囲の広い生物は彼らくらいかもしれない」

天狗だったり夜叉だったり、ぶっちゃけ人型でなくとも鬼であれるというのは自分でもとても創作しやすい対象なので非常に重宝しています。多神教の国に生まれてほんとよかったと思える要素の一つでもあります。

ポケモンでもそんな鬼をモチーフに子らがちらほらいて
オニゴーリ(なまはげ)
ダーテング(天狗)
らが今までの鬼ポケモンポジでした。

しかしポケットモンスターBWにてついに神系の鬼が登場してしまいました。

トルネロス(風神)
ボルトロス(雷神)
ランドロス(実り神)

こいつらの主役回がアニポケ第58話「トルネロスVSボルトロスVSランドロス(前編)」。

まず原作でのこいつらの評価はいうと、歴代ポケモンの中でも下の下もいいとこ。
ポケットモンスターBWのダメな点を上げる時
一口目にはN君中心のストーリー展開
二言目には操作性なりPGLなりシステム面の文句
その次くらいにくる「ポケモンのデザインの劣悪性」。
その筆頭がこいつらでポケモンの中でも最悪とも言っても過言じゃないです。
好きだ嫌いだの感情を述べる前に明らかに手抜きデザインのポケモン…もといおっさん達。
ぶっちゃけ制作時間がないから適当に作ったとしか思えません。
画像検索して頂ければ解るのですが、
トルネロス
ボルトロス
ランドロス
こいつらのデザインはほぼ同じです。コピーして色変えたとしか思えないデザイン、思わせてもしかたない適当さを感じます。
これがプロの仕事か。
伝説ポケモンでもあり、貴重な新ポケモン枠を3つも使っての手抜き。
発売から一年経った今でもその憤りは覚えています。
しかもニューヨークを舞台にしているBWで「風神雷神」のモチーフ。
「概念の広さ」が売りの鬼での単一デザイン。

こいつらに対する文句は後を絶えません。

しかし

ポケモンアニメを作るスタッフは確実にプロでした。
壮大な題名通りの映画顔負けの盛り上げ具合。
トルネロスとボルトロスの違いを解りやすくしてくれる戦闘演出。
トルネロスが一本角でボルトロスが二本角だなんて、初めて気付くことができました。

空中移動するトルネロスはまるでゲッター1みたいな挙動で気合いの入っている作画だし、頭部なりいぼいぼなり、微妙な各パーツの違いを動的に表現。
見事トルネロスとボルトロスの差別化をしていたと思います。

これまで散々「アニメスタッフには期待してる」的なこと記事にしてきましたが、こいつら主役回のためにあった言葉だと思います。

逆に、この屈指の低評価のこいつらを映画に出さないためにも、今TVで特番組んで短い期間に一気にちやほやした方が後腐れないでしょうね。
何故か今、ポケモンのグッズ市場はオッサンプッシュしまくりです。

新しいオッサン関連ポケモングッズが出たり、
カードが発売されたり、
ハッピーセットについてきたり、
ゲームで配信されてたり

おいおい、こんなに優遇されてるポケモンもめずらしなwwって感じ。
そこまでしてまで映画に出したくないんだな、と思えなくもないですが。

まあどちらにせよ、アニメのおかげでやっとあいつらが受け入れられそうです。

…そうだよな、たとえ手抜きで生まれ存在とはいえそれもそれで「異様」の一つの形。

「異様」の中で仲間はずれにするようなことはしちゃいけないよな。それが鬼の良さなんだから。
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