コラム部屋

□アニメ感想
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12:戦姫絶唱シンフォギア

正直冬アニメの、しかもギャグ枠のカオス組の中で一番コメントのしにくい作品。
というかこのアニメをどうみるかは人によりけりになると思うので判断に困りました。

大雑把な言い方ですが…

・武装化された女の子達が戦うアニメ

ってのがとりあえずの第一印象。
これだけだと「オタクこういうの好きなんだろ」みたいなノリで作られた臭がして、人によってはそれだけで毛嫌いしそうな雰囲気。
ぶっちゃけると「武装神姫のパクリ?」とみる前からなんとなく不安になってしまう。
けどみる前から毛嫌いするなんて悪いことだから一応視聴。

すると一話目の冒頭からいきなり主人公のお墓の前で泣く親友のシーンから始まる。

え、えぇ!?

こんな鬱々としたとこから始まるの?
と思った時点でなんとなく思う。
ああ、これあれなんだ。「まどか☆マギカ」みたいな鬱アニメが流行ったからその流れで作らたアニメなのかな?となんとなく思う。
「まどか☆マギカ」の二番煎じなのかな…
とか思っていると冒頭のシーンが終わって過去回送に入る。

主役っぽい内気の子とその相棒っぽい子が登場。
「ああ、この子達が主役なのね。青と赤でなんかプリキュアみたいだな、はは…」
とか思っていると内気な青の子の声が水樹菜々さんだと気付く。
女の子が戦うアニメで、水樹菜々さんが主役…?これは「魔法少女リリカルなのは」を意識してのことか…?とこの時思う。
ああ、そうか。
なんやかんやいって「リリカルなのは」はもはや1ジャンルを築てしまった大手作品だからな…
「水樹菜々さん主役で戦闘もの…これは売れる!」と思う気持ちも分からなくもないです。
「リリカルなのは」のオマージュ作品、まあ大手作品に憧れること自体は悪いことなんじゃないから大目にみるか…

と思っていると敵が登場してその二人の女の子を襲う戦闘シーンに入る。

相棒の赤の女の子が死ぬ。

え、えええー。
泣き崩れる青の女の子。
視聴者がぽかん、としてる間に死にかの赤の子が最後の力を振り絞って戦いに巻き込まれた少女を救うためにエネルギー解放。相棒の女の子は死んでしまうけど巻き込まれた少女は息を吹き返す。
ここまでが一話Aパート。
んでBパートでまた時が流れ、助けられた女の子が主人公で話がスタートする。

…って

お前が主人公かい!

みたいな超展開が一話のAパートだけでばんばん視聴者に押し付けてくる。
ともかくこの作品の特徴としてはこんな超展開でツッコミどころ満載な脚本をさも当たり前かのように展開していくところ。
しかもそれが真面目な演出なのか、笑いをとるつもりで超展開にしてるのか、その境が曖昧なのが「シンフォギア」の最大の魅力と言えましょうか。
さすがに一話Aパートが一番ぶっとんでいてそれ以降は突然時間が飛ぶなんてことないけど、超展開なもんは超展開。
そのカオスっぷりが「アクエリオン」みたいな芸術的な計算されたカオスでもなく、「ミルキーホームズ」や「親テニプリ」みたいなわざとやってるカオスみたいのとは違ったものを感じました。

極端な言い方をしてしまえば、「シンフォギア」の脚本家は下手だったんでしょう(こんな風に言ってごめんなさい)

戦闘アニメとして見せようとしても所々不自然なご都合主義はあるし
萌アニメに見せようとしても急に歌い出したり、目から血をだらだらと流すシーンはあるは(笑)

ただ、その脚本のどぎまぎっぷりをニコニコ動画でみんなでツッコミながらみて、「戦姫絶唱」ならぬ「抱腹絶倒」しながら見るにはちょうどいいアニメでした。
こんな言い方しちゃうと「シンフォギアになんか恨みでもあんのか」とか思われてしまうかもしれませんが、脚本をツッコミながら見るという楽しみは
武装神姫にも、まどか☆マギカにも、リリカルなのはにも
安易に世間で流行ってるからと出されたアニメにはない「シンフォギア」独自の個性はちゃんとあったと声を大にして言うことができます。

っていうか。

最初の方で培われれた「どうせシンフォギアだから」っていう固定概念のせいか、脚本家がだんだんうまくなっていったのか、後半戦の盛り上がりっぷりは意外にも面白く見ることができました。
「…あれ、なんかこれ面白いぞ」
みたいな。問題作が一皮向けた展開が後半には待っていました。

・ちゃんと苦しい思いをして、苦悩して、修業して徐々に強くなる主人公
・赤い子の死を受け入れて前を向く青い子
・最初は敵だったけど、ちゃんと責任を果たす大人に導かれて改心していく敵

みたいな各キャラクターちゃんと王道の成長過程を経て最終決戦へ、という流れが本当に熱かったです。

かたやミルキーホームズではラードの神と戦ってたり
かたやテニプリでは幻の手塚部長が出てきたり
かたやアクエリオンだとホモ♂の惑星

とかはしゃいでいる間、シンフォギアはちゃんとした戦闘アニメしてました。
まさか…あの四作品の中でシンフォギアが一番まともになってくれるとは…

なんだかできの悪い子供を見守る親の気分になってしまいました。
まあとはいえ最終決戦も実に「シンフォギア」らしい展開でしたけど、意外性でいえば冬一番のアニメでした。

「B級」という言葉がありますが、このシンフォギアこそこの言葉が似合う作品はないと思います。
ツッコミところは多いし、決してすべてが完璧な神作品でもありません。
ただシンフォギア独自の個性は確立してるし、そのどぎまぎ感がなんだか親近感すら感じます。

世の中「待ってる間が一番楽しい」と言いますが、見れば見れるほど面白いこの作品に出会えたことを、多分数年後くらいに良かったなと思える日がくるでしょう。

多分。

そんな日と、二期制作される日を目指してこれからも生きていこうと思います。

生きることを、諦めるな!
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