コラム部屋

□アニメ感想2
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…さてと。



せっかくの貴重な日曜日なので、気合い入れてこの記事を書きましょう。

20:謎の彼女X

まずこの作品を書く前に言っておきたいことがあるんですけどね。
昔、自分は小学校の宿題とかで「感想文」とかが苦手だったんですよ。
「自分の感じたこと書いてなんの意味があるんだよ、うわー」
とか言ってる質で好きじゃなかったんですけど、確か大学生くらいのころかな…
とあるテレビ番組で「感想文を書くコツ」みたいのを紹介してました。そこの
「自分の知り合いに紹介するつもりで書け」
という言葉にすごく感銘を受けたんですよね。
自分のために感想文を書くのではなく、その作品のことを全く知らない人に紹介するつもりで書く。
言われてみれば当たり前のように聞こえるかもしれませんが、この世の中にはびこるものって大抵「誰にでも分かりやすく」がモットーに作られているんですよね。
車の運転なりユーザビリティなデザインだったり。
特に感想文に限る話ではなく、ものつくりにおいて大切な「誰にでも分かる」配慮。
だからこのアニメ感想記事を書く際にも、自分の気持ちばかりでなく、この感想文を見てくれた人が少しでも
「あ、この作品見てみたいかも」
と思ってくれることを目指して書いているのですよ。
せっかくのネット上の感想文ですものね。出来れば一緒に作品を見て楽しさを共有したいものですよ。

ですけどね。

私も春アニメに限らず多くのアニメをこれまで紹介してきましたけどね。

今回ばかりはギブアップです。
「謎の彼女X」に関してはもう「誰にでも分かる」配慮に構っている場合じゃないです。
とんでもない化け物作品が今回の春に潜んでいました。
いや、すごい作品だったのは当然なんですが、一言で言ってしまえば特殊過ぎる作風のせいで、無責任に「おもしろいですよー」とは言えない作品でした。
見る人が見たら多分吐き気がすると思うし。
また違った目線で見るなら「日本人大丈夫かな…」と国単位で心配するような作品でした。

そんな謎の彼女を…果たして私はちゃんと知り合いに見せても恥ずかしくない文章に出来るかどうか…

だからこんなことを言うのも見てくれてる人にも悪いし、何より原作に失礼なのを承知で言うのですが

健全な暮らしをしたかったら、この記事のことは忘れてお外に出て元気よく遊びましょう。
ってことを注意書にして感想を初めて行きますね。


まず「謎の彼女X」の作品ジャンルを言うなら
「純愛青春もの」
です。
主人公の椿君が卜部美琴というミステリックな女子に惹かれて。
最初はぎこちない関係の二人だったけど、回を重ねる毎に互いにコミュニケーションを取り合って、少しずつステップアップしていって…
椿君が卜部への思いをどんどん強くしていって、また卜部も椿君のことを好きになっていって。
最初は謎な女の子だった卜部もどんどん普通に恋する女の子になっていき、途中に喧嘩や互いに信頼関係を試される事件があったけど二人で乗り越えて、最終回ではんもうすんごいベストカップルになって終わるという。
高校生の恋愛ものとして見るならすごく健全で今の時代珍しいくらいの爽やかな話だったんですよ。

恋愛ものとして見るなら、ね。

なんていうか、すごく言いづらいんですが。言わなきゃ先に進めないんで仕方なく言うんですが。
恋愛要素はあくまで作品の主な流れであって、この作品の「過ぎた特徴」として後にも先にも決してないような化け物作品となし得たオリジナリティーを言ってしまうのなら…

(※食事中注意)


よだれをなめ合うことによって通じ合う恋愛なんですね。



!?


っと反応した方。

私もです。
私もこの作品の第1話を見たときにはそれはもう度肝を抜かされましたよ。
この作品のヒロインこと卜部さんは、人のよだれをなめることでその人の精神状態が分かる能力があるのですが、その設定だけみれば
「何かの特殊能力バトル作品かな…?」
とか思うのですが別にそんなことなく、椿君のよだれをなめて彼が自分のことを気にしているのが分かり、そこから普通の恋愛ものみたいなストーリーが展開していくんですよ。
何かの間違いかと思いましたよ。
いっそ本当に「特殊能力バトル作品」ならどれだけ受け入れられただろうか。
ただ「よだれをなめる」こと以外のアニメとしての地力はもの凄く強くて
海の波しぶきの作画だったり
眼鏡をかけてる人間の特徴が超リアルだし
女性のちょっとした仕草しぐさに対するこだわりが絵コンテレベルで伝わってくるし
(そしてもちろんよだれに対する描写もリアル)

ただ一発芸で「よだれアニメ」を目指しているのではなく、ちゃんとした恋愛ものを作りながらよだれも書く、っといったところにある意味狂気を感じた作品でした。

…この作品のスタッフども…変態すぎる(誉め言葉)

まあ言ってしまえば、誰にだって人には言えない特殊な性癖というものがあって、「よだれ」もあくまで(原作者)の性癖の一種。
リアルな恋愛ものを書く面において、やはりきれいごとばかり書いてるというのもなんだかやはり作り話感が出てしまうものです。
そういう意味では特殊な性癖をも描ききってしまう「謎の彼女」こそ、立派な恋愛ものなのかもしれませんね。誇れないけど。
ただやっぱり作品内でもちゃんと椿君が突っ込んでいるんですが

Q:なんでよだれなめるの?
A:だって、そういう人だから…

だそうです。ですよねー。
やはり「そういう人だから」と言われてしまうと何も言い返せないものがあります。
…だって「そういう人だから」というワードによって助けられてる色んな個性があるじゃないですか。
ある意味そういった人の個性を讃歌する作品だったのかもしれません。
確かにこのアニメはよだれに限らず始終ものすごいキャラクター性をもっている登場人物ばかりでしたが、だからといって悪い訳ではなく本当にみんな恋愛に一生懸命なんですよ。
確かに変な個性ばかりでしたが、「そういう人だから」しょうがないのです。周りの人の意見とか風評だとかは、本来「それ以外のこと」なんですよね。
そんな個性と付き合いながらも一生懸命な彼らの恋。
そこで描かれる物語の起承転結はとても刺激的で個性的で、いつも初めて見る世界がある一話一話にそれはもう楽しませてもらいましたよ。
そんな破天荒なストーリーに訪れるかわいい卜部さんやニヤニヤが止まらない二人の初な関係が、最終回ではすっかりはまってしまい、「よだれ」をなめ合うシーンを見てもなんだか驚きがなくなってしまいました。

…慣れって本当にこえぇっ!!!

そんな「謎の彼女」は一クールで終わってしまいましたが、二期に繋がるような伏線をちらほら残しての終了でした。
またあの「雰囲気は昭和、ネタは半世紀先」のこの作品に出会える未来があるかと思うと、それだけで変なテンションになれて、明日からも生きていけそうです。

…この作品に時代が追い付く未来は果たしてあるだろうか…

そんな未来を信じて、明日からもお仕事がんばりましょう。

\グッチー/
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