コラム部屋

□アニメ感想4
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アットゥイ!

こんな時は涼しい場所で涼しいかっこうしてアニメ書きましょうねー(要するにだらけてる)。
今回の作品はこちら!

12:悪の華

…うっ…これはまたコメントしづらいのですね…

ヴヴヴ、DD北斗と今期はコメントしづらいのが多かったですが、まあこいつがラスボスでしょう。
説明しづれぇ…二重の意味で。

まずこのアニメ、他にはない大き過ぎる特徴としましては

実写のトレース

という手法を使っているところでしょうか。
昔からあった技術みたいですが、今のいままであんまし使われてない技術だった、っというのをこの「悪の華」をみて分かった気がします。

気持ち悪い。

につきます。中傷するつもりはないのですが、恐らくそう思わせるのも監督の狙いだったかのように、まるでドラマを見ているかのようなアニメでした。
カメラがあるからデッサンとかの模写技術はいらない、っとは限らず模写には模写のいいところはある。

とは言いますが、セル画絵なのにあそこまでヌルヌルてした人間の動きをそのままアニメでみるというのは既存の価値観では比べるものがなく正しく「気持ち悪い」という表現がある意味誉め言葉だったかもしれません。
んもう実写でやっちゃえばいいじゃん、って感じ。ある意味リアルを求めることがアニメに限らず映像作品の良さというなら、このアニメこそ近代の映像作品の中で最も現実に近いものを表現したかもしれません。
背景とか川の水とか、もう画とは思えないものになっていましたもの。

だからこその違和感。だからこそのアニメで誰もこの表現を使ってこなかったということを理解できるものとなっていました。

だけど、だからこそ。

そんな逆説の発想がこのアニメを見る原動力だったかもしれません。
こんな気持ち悪いアニメ今まで見たことない、だからこそ見る。

なんだか矛盾しているかもしれませんが、確かに強烈なアイデンティティを保った先にも後にもお目にかかれない作品となってました。

そしてまた内容がなんとも。

一応原作は漫画らしいのですが(何故実写トレースにしたのか…今となっては突っ込むのも野暮ですが)、テーマとしてはリアルな精神的な意味での「中二病」。

昨今のライトな作品での「厨二病」ですと、暗黒の力がなんだかとかダークな設定好きをチープに表現したものが多いですが、「悪の華」では精神成長過程における「中二特有の精神病」を書いた作品だったと思います。
原作は叙事的な表現を得意とした作者さんが作っていますので、
「本来の中二病はこうだ!」
と唄った意欲作だと思います。

この作品の主人公、春日くんは「周りの一般人がバカに見えてしょうがない」とか「下らない友達付き合いうんざり」しながらちょっとかっこいい哲学を唄った詩集「悪の華」に酔狂しながら意中の人、佐伯さんにひっそりとした恋心をかかえたどこにでもいそうな中学生。
そんな春日はある日、不意に(笑)佐伯さんの体操着を持ってかえってしまったところから物語はスタートする。
その光景をたまたま仲村というクラスメイト見れれた春日。仲村もまた春日と同じく「中二病」を患わせ、周りの人間を「ゴミムシ」呼ばわりする過激な少女であった。
同士を発見したと喜んだ仲村は、春日を本物の変態にすべくあんな手やこんな手を使って春日をいじるが、とうの本人はかなり嫌がっていた。
そんな中、春日は仲村の強引な手引きによるものだが意中の佐伯さんと付き合えることになる…体操着を盗んだことを隠したまま…

春日を変態に育てることを目的とする仲村だったが、春日が大人しく佐伯と付き合おうとする姿をみて落胆することになる。
が。
そんな落胆する仲村の姿をみて春日は思うのであった…仲村も自分と同じく周りの人間に絶望した価値観を持っている「友達」だということを…

「友達」をとって変態になるのか、一般的な価値観のままでいて佐伯と付き合い続けるのか…

中二病である少年は一度は仲村の行動に付き合えず、自分は空っぽな人間と「中二病から覚めて」普通に生きようとする選択をとるが、最終回では結局「友」をとって、仲村と共に変態となる道へと歩んでいくのであった…

という物語でした。

うん。私が説明しづらい、っていう理由が分かって貰えれば幸いなんですが。

なんだこの話。

って感じの話ですよね。これを実写トレースでやるんですからそれはもうインパクトしかない作品でした。

ただこの物語ほど過激ではないですが、中学生の時って何かと価値観が激変することってありますよね。
自分もそうでした。
それを精神的成長がどうかとか未だに分からないですが、確かに昨今の「厨二病」という言葉で一括りにするにはちょっと乱暴な手法かもしれません。
「悪の華」ではまだまだ書ききれないくらいに過激な表現がありましたが、一貫して書かれていたのが
「中学生時代の繊細かつ正直な内面の変化」
を事細か書いていた件に関しては右に出るものはなかったと思います。
これをリアルタイムで中学生の時に見ていたらどうなってたことか…

いやまあ真似はしないんですけどねw

しかしまあ作品のテーマだけでなく、間の使い方とか「親に事件のことバレた時」の独特の「やっちまった空気」がホラー映画並みに怖い作品でもありました。
何度も言っちゃうんですが、こんな作品他に見たことねぇよ!
と痺れるものでした。
またアニメでは仲村に再度「変態宣言」をするとこで終わっているのですが、原作ではそこからが本番みたいで更にすごいことになるみたいですね。
…これは…2期あるのか…?
気になりますが、反面怖くて見たくない気持ちも多少あります。
「笑いと恐怖の根源は同じ」
とはよく言うものですね。とりあえずまた始まったらぬるっとみて見たいと思います。原作もチェックしようかな?

山田とかどうなってんだろ?(結局山田)

…いやあ…

作品の毒もあることながら、春日の友達の山田の挙動がとても面白い作品でもあったんですよね。
実写トレースだけあって
「実際いそうwwwこんなウザいやつwww」
みたいな素敵な親近感があります。
山田はアイドル。
天使と悪魔と山田。

山田目当てだけでも価値がある作品ですよ?(一応薦めてみる)

ホホーイ
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